審査に通るために意識すべきこと
ファクタリングを利用する場合も、金融機関から融資を受ける場合と同じように審査を受けなければなりません。
ファクタリングの審査に通るために意識すべきことを、以下でいくつか挙げていきます。
売掛先と契約書を交わしておく
ファクタリングは売掛金をもとにして資金調達を行う方法なので、契約書や請求書などがなければ利用することができません。
法人同士の取引の場合、契約書が存在しないことはありえませんが、個人事業主の場合は口約束だけで仕事を行うことも珍しくありません。
昨今ではSNSでのやり取りから仕事に発展するケースも多く、そのようなケースでは契約書を交わさないことも多々あるでしょう。
いざというときの資金調達の方法としてファクタリングを選択できるように、仕事を行う際は必ず契約書を交わすように意識しておきましょう。
信用度が高い売掛金を利用する
ファクタリング会社は売掛先から資金を回収します。
ですので、売掛先の信用が高ければ高いほど審査には通りやすいです。
売掛先の信用度は、業種や規模・経営状況などから判断されますが、その審査基準は各ファクタリング会社で異なります。
そのため、どの売掛金をファクタリングに利用するのがもっとも確実かについて、厳密に言うことはできません。
上述した要素に沿って考えて、客観的に見てもっとも信用度が高いと思われる売掛先の売掛金を利用するとよいでしょう。
また、ファクタリングで買い取ってもらえるのは、金額と入金日が確定している「確定債権」だけであるということも、念頭に置いておきましょう。
必要書類をきちんと用意しておく
ファクタリングの審査では、いろいろな書類を提出しなければなりません。
金融機関から融資を受ける場合と同様に、書類に不備があると二度手間になりますし、最悪の場合は審査落ちになってしまう可能性もあります。
必要書類はファクタリング会社によって異なりますが、契約書や通帳・確定申告書などを求められるケースが多いです。
利用するファクタリング会社のホームページなどを参考にして、必要書類に不備がないかを確認したうえで申し込むようにしましょう。
ファクタリング会社を選ぶ3つのコツ
ファクタリングを行うことができる会社はいくつもありますが、その中から安心して取引を行えるところを選ぶことが重要です。
ファクタリング会社を選ぶコツを、以下で紹介します。
個人事業主でも利用できるか
冒頭で個人事業主でもファクタリング会社を利用できるとお伝えしましたが、それはあくまでも一般論であり、中には個人事業主を対象にしていないファクタリング会社もあります。
この点に関しては、各ファクタリング会社のホームページなどで確認できます。
せっかく申し込もうと思ったのに、個人事業主を対象にしていなくて門前払いにあったということにならないように、事前に確認しておきましょう。
「償還請求権」なしのサービスか
償還請求権とは、支払いを行うべき相手によって支払いが行われなかったときに、利用者などに金銭の返還を求めることができる権利のことを指します。
ファクタリングで言えば、ファクタリングに利用した売掛金に関して売掛先が支払いを行わなかった場合に、ファクタリングの利用者に金銭の支払いを請求することができる権利、ということです。
もし償還請求権があると、せっかく調達できた資金が水の泡になってしまう可能性があるので、償還請求権なしのサービスを中心に検討するのが無難です。
ただし、償還請求権なしのサービスは償還請求権ありのサービスよりも、手数料が割高になる傾向にあります。
確実に支払いを行ってもらえる売掛金を利用するのであれば、手数料の低さを優先して償還請求権ありのサービスを利用するのもありでしょう。
悪質な会社ではないか
ファクタリングそのものは違法性はありませんが、ファクタリング会社の中には残念ながら悪質な取引を行うところも存在します。
ファクタリング会社が悪質かどうかをひと目で見分けるのは難しいですが、「ホームページに企業概要が記されているか」「手数料の目安が記載されているか」などを参考に判断するとよいでしょう。
実際に電話や対面などで相談や面談をしてみて、その際の印象がよくなければ利用を控えるほうが賢明かもしれません。
おすすめのファクタリング会社10選
ファクタリング会社はそれぞれ特長が異なるので、おすすめのファクタリング会社を順位付けする形で紹介するのは、なかなか難しいです。
そのため、ランキング形式というわけにはいきませんが、おすすめのファクタリング会社を以下でいくつか紹介していきます。
各会社の特長を、ファクタリング会社を選ぶ際の判断基準にしていただくとよいでしょう。
ベストファクター
ベストファクターは、92%超という高い平均買取率を誇るファクタリング会社です。
最短即日での資金化にも対応しているので、急きょ資金調達を行わなければならない場合にはとくに重宝するでしょう。
また、手数料が安いこともベストファクターの大きな魅力のひとつで、2社間ファクタリングであれば2%~の手数料でファクタリングを行うことができます。
実績も十分なので、ファクタリングを行うのが初めてでも安心して利用することができるでしょう。
QuQuMo
QuQuMoの最大の魅力は、申し込んでから入金されるまでの時間が非常にスピーディーであるということです。
必要書類がそろっていれば最短2時間で入金してもらえますし、肝心の必要書類も請求書と通帳だけと、非常にシンプルです。
手続きはすべてオンライン上で完結するので、来店して手続きを行う必要はありません。
土日などの休みの間に、スマートフォンやパソコンでサッと手続きを行うだけで資金を調達できるので、非常に便利です。
ビートレーディング
ビートレーディングは、これまでに数多くの実績を積んできている老舗のファクタリング会社です。
「他社より1万円でも高く買い取る」ということを公言しているので、少しでも多くの金額を調達したい場合には非常に頼りになるでしょう。
もちろん、最短即日での入金にも対応しています。
ただし、買い取ってもらえる売掛金の下限額が30万円となっており、個人事業主にとっては少しハードルが高いことは、念頭に置いておくべきでしょう。
アクセルファクター
ファクタリング会社は、総じてスピーディーに対応してくれるところが多いですが、アクセルファクターはその中でも「原則即日入金」を掲げています。
買い取ってもらえる売掛金の下限金額も設定していないので、少額の売掛金でも安心して資金化を申し込むことができます。
ただし、資金化してもらう売掛金の金額が少ないほど、手数料が高くなる点には注意が必要です。
売掛金の金額が501万円~1,000万円のときの手数料は2%~ですが、101万円~500万円のときは5%~、~100万円のときは10%~です。
日本中小企業金融サポート機構
日本中小企業金融サポート機構の特長は、ほかのファクタリング会社とは異なり、「一般社団法人」であることです。
一般社団法人は一般の会社とは異なり、営利行為を行ってはならないと決められています。
そのため手数料率もほかの会社より低めに設定されていますし、公式サイトのシミュレーターを利用することで、具体的な手数料を提示してもらえます。
また、ファクタリングの審査に落ちてしまった場合でも、ほかの方法での資金調達を提案することができるのも、ほかの会社にはない強みと言えるでしょう。
ウィット
ウィットは、500万円以下の小口の売掛金のファクタリングを専門にしている会社です。
小口売掛金の取り扱いに関するノウハウが豊富なので、個人事業主の方にとっては非常に頼りになる存在と言えそうです。
一般的にファクタリング会社は、個人事業主に関しては開業届を出している方のみを対象にしていることが多いです。
しかしウィットでは、開業届を出していない方でもファクタリングを行えた事例があるようなので、事業を始めたばかりの方でもファクタリングを行える可能性があります。
OLTA
OLTAは、すべての手続きをネットで完結することができるのが大きな強みです。
店舗に出向かなければ手続きを行えないようだと、利用者が限られてしまう可能性がありますが、OLTAではそのような心配はありません。
手数料も2%~9%と公開されているので、どれぐらいの金額を調達できるのかを、あらかじめ自分で計算することができます。
大手企業が数多くパートナー企業として名を連ねていることも、初めて利用する方にとっては安心材料と言えるでしょう。
MSFJ
MSFJは、個人事業主専用のファクタリングサービスを取り扱っています。
買取可能額は10万円~500万円と小口に特化した性能になっていますが、個人事業主の方の売掛金と考えると十分な金額でしょう。
契約手続きは訪問で行えるほか、電話やオンライン上でも可能です。
急いで資金調達を行いたい場合は、電話もしくはオンラインで手続きを進めるとよいでしょう。
TRY
TRYは、どちらかと言うと法人向けにファクタリングサービスを行っていますが、優良な売掛金であれば個人事業主の方でも利用することが可能です。
申し込みは24時間365日いつでも可能であり、土日でも深夜でも好きなタイミングで申し込むことができます。
手数料率の設定は少々高めになっているものの、最短即日での資金調達も可能なので、急いでお金を用意する必要がある場合には非常に頼りになります。
FReeNANCe
FReeNANCeでは、個人事業主やフリーランスの方向けにいくつものサービスを提供しており、その中のひとつとしてファクタリングを行っています。
1万円という少額から取引可能なので、売掛金の多寡を気にすることなく申し込むことができます。
ただし、サービスを利用するためには専用口座の開設が必須なので、口座をむやみに増やしたくないという方にとっては、そこがネックになるかもしれません。
個人間のファクタリングは違法
個人事業主のファクタリングから少し派生した情報ですが、SNSなどで「個人間融資」や「給与ファクタリング」を喧伝するアカウントがあります。
これらは、違法業者です。決して連絡しないようにしましょう。
まず個人間融資に関してですが、本来、お金の貸し付けは貸金業登録業者のみが行うものです。
正規の業者が、SNSで個人間融資を喧伝することはありません。
給与ファクタリングに関しても、同様にSNSで個人間融資を喧伝することはありません。
ファクタリングに関しては、法整備が進んでいないこともあり、貸金業のような登録が不要です。
その法の未整備につけこんで、闇金が個人になりすまし、ファクタリングを持ちかけるケースがあるのです。
言葉巧みに「個人間で給与を買い取ります」「個人間ファクタリング」等と持ちかけるメッセージには、決して反応しないようにしましょう。