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自社はどのくらい借りられる? 中小企業の借入限度額
不思議に思うかもしれませんが、世の中には黒字続きなのに倒産してしまう企業というのは存在します。会社にとって最も大切なのは資金繰りです。
いざというときのために、自分の会社がどれくらいまで銀行から借りることができるのか知っておくのは大切なことです。
今回は中小企業がどれくらい銀行から借りることができるのかまとめてみました。
中小企業が借入限度額を把握しておく必要性
資金繰りに困ったとき、どのような対応策があるのでしょう。
多くの経営者が最初に考えるのは銀行融資を利用することではないでしょうか。
しかし、銀行融資には審査があり、必要になったときに必要なだけ貸し付けを行ってくれるわけではありません。
法人の借入限度額には複数の判断基準があります。この限度額を超えると融資を受けることは難しくなります。
自社の借入限度額を把握していなければ、知らないうちにこの借入限度額を超えていたために、どうしても必要な時に予定していた資金調達ができなかったという事態も起こり得るのです。
どのくらい借りられる? 自社の借入限度額の計算方法
借入限度額には、複数の算出方法があります。計算方法を紹介しますので、自社の借入限度額を確認してみましょう。
月商から借入限度額を判断する方法
限度額を考えていく場合に最も一般的な式は以下のようになります。
(売上高÷12)×4=借入限度額
この式の意味を説明すると、まず売上高÷12で一カ月当たりの売上=月商を計算します。そして月商に4を掛けることで、4カ月分の売上を計算します。この4カ月分を借入限度額とする考え方です。
4カ月までであれば、返済できなくなる可能性は低いだろうと判断されます。
これを超える金額でも、返済できる根拠を提示することで貸し付けを受けられる場合もあります。
キャッシュフローから借入限度額を判断する方法
当然ながら、銀行は返してくれると判断できた相手にしか貸しません。では銀行は返済能力をどのようにして見ていくのでしょうか。
銀行から貸し付けを受けたとき、貸借対照表では負債の部に計上することになります。では、損益計算書においては、どのように表示されるのかというと、どこにも表示されません。損益計算書には支払利息はありますが、借り入れや元本の返済を記載する箇所はないのです。
損益計算書では、売上から諸経費や税金を差し引いて当期利益を計算します。借入金の返済はその後、つまり当期利益で残った金額の中から返済していかなければなりません。
そして、当期利益の金額=返済能力となるのかというと、当期利益の金額すべてが当期内に確実に入金されるわけではないため、そのようにはなりません。当期利益に実際のお金の動きも考慮された上で、返済能力が判断されます。具体的に示すと以下のような式になります。
(当期利益+減価償却費)×5年=借入限度額
5年で返済できる金額を健全な借入限度額の目安としています。多くても10年未満で判断される傾向にあります。
借り入れの返済に10年以上かかりそうという状況であれば、銀行からはそれ以上の融資を受けるのは困難でしょう。
支払利息から借入限度額を判断する方法(インタレストカバレッジレシオ)
支払利息を基準に見る考え方です。
先ほど支払利息だけは損益計算書に出てくるという話をしました。ではどこに出てくるかというと支払利息は営業外損失という区分で一般的には登場します。損益計算書の順番でいうと営業利益から支払利息などの営業外損益を差し引きして経常利益を出していくという流れになります。
つまり支払利息分は少なくとも営業利益で賄われている必要があるといえるでしょう。
営業利益÷支払利息=インタレスト・ガバレッジ・レシオ
このインタレスト・ガバレッジ・レシオという指標が1を下回ってしまうと、支払利息を営業利益で賄えていないということになります。元本の返済のための資金も考慮すると、ある程度余裕を持っておく必要があるでしょう。
総資産から借入限度額を判断する方法
会社の総資産に対する有利子負債の割合、有利子負債依存度から借入限度額を判断する考え方です。
有利子負債÷総資産×100=有利子負債依存度
会社の総資産のうち50%以上を有利子負債で賄っているとなると、追加で融資を受けるのは難しいといえます。銀行から融資を受けるためには損益計算書が重要だと考える人が多いかもしれませんが、貸借対照表も同等に判断材料にされるため、注意が必要でしょう。
まとめ
今回は中小企業の融資限度額についての考え方をまとめてみました。
いざというときに資金不足で困らないためにも、自社の借入限度額を把握しておきましょう。しかしながら、借入限度額は越えているが、資金調達が必要という事態も起こり得るでしょう。
資金繰りが苦しくなったときの対処方法としては融資以外にもさまざまな方法があります。
例えば、ファクタリングという方法があります。
資金繰りが苦しくなる原因としてよくあるのが売掛金の回収に時間がかかることです。ファクタリングは、この売上債権をファクタリング会社に売却し現金化する資金調達方法です。負債を増やすことなく資金調達ができるというメリットもありますので、資金調達に困ったときは活用してみましょう。

この記事の執筆者:資金調達ニュース編集部
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