自社に合った融資を選ぶためのチェックリスト
自社の状況に応じて選ぶといっても、判断に迷ってしまうこともあるでしょう。どちらの融資が適切かを見極めるにあたり、以下のチェックリストの項目がヒントになります。
【自社に合った融資を選ぶためのチェックリスト】
- いくらの金額が必要か
- いつまでに資金が必要か
- 信用情報に懸念事項はないか
- 金利はどの程度許容できるか
- 審査に落ちた場合はどうするか
各項目を整理することで必要な条件が明確になり、どちらの融資が適切であるかがわかるはずです。
短期融資のメリット
先述の通り、短期融資の方が多くの中小企業に利用されています。中小企業や個人事業主にとって、短期融資は事業の流動性を維持するうえで、非常に有効な手段です。
ここからは、返済期間が1年以内に設定される短期融資に絞り、利用する代表的な4つのメリットを解説します。
【利用する代表的な4つのメリット】
メリット①金利が低い
短期融資は返済期間が短く設定されている分、金融機関にとって貸し倒れのリスクが低くなるため、比較的低金利で借りられます。
たとえば、急な仕入れや季節的な資金需要など、短期的な用途であれば、長期融資よりも総支払額を抑えられる可能性があります。
金利負担を抑えることで資金調達にかかるコストを削減できれば、事業の収益性を維持しながら、必要な資金を素早く確保できるでしょう。
メリット②審査に通りやすい
短期融資は、長期融資に比べて審査のハードルが低いとされています。
先述した通り貸付期間が短いため、金融機関は「貸し倒れのリスクが低い」と考える傾向にあり、柔軟な審査が期待できます。
特に、すでに取引のある金融機関なら、これまでの取引実績が評価され、審査がスムーズに進むことも珍しくありません。
急な資金ニーズに対して迅速に対応できる点は、中小企業にとって大きな安心材料です。
メリット③返済計画を立てやすい
1年以内で取引が完結する短期融資は、返済のタイミングが明確であるため、資金繰りの見通しを立てやすいという利点があります。
長期にわたる返済計画では将来的な不確実性が増しますが、短期であれば現時点の業績や売上予測をもとに現実的な返済スケジュールを組みやすいです。
たとえば、繁忙期に仕入れた在庫を売り切るタイミングで返済するなど、売上のサイクルに合わせて柔軟に対応しやすくなります。
メリット④赤字でも融資を受けられる可能性がある
業績が一時的に悪化し、赤字に陥っている場合でも、短期融資であれば審査を通過できる可能性があります。
融資の審査で金融機関が重視するのは、今後の返済能力や具体的な売上見込みです。大口の受注が確定している場合や、季節的な収益増が見込まれる場合は、現時点で赤字であったとしてもポジティブに評価される可能性があります。
短期融資は、経営が一時的に苦しい状況でも立て直しのチャンスを提供してくれる、重要な資金調達手段なのです。
短期融資で注意したいポイント
短期融資は素早く資金を調達できる一方で、気をつけるべき点もあります。
ここでは、短期融資を利用する際に意識しておきたい4つのポイントを紹介します。
【短期融資を利用する際に意識しておきたい4つのポイント】
契約内容をよく確認する
融資を受ける際には、契約書の内容を細部まで確認することが非常に重要です。
返済期間や金利、返済方法などはもちろん、返済が遅延した際の対応やペナルティなどにも目を通しておく必要があります。
契約内容を十分に理解せずに融資を受けてしまうと、あとになって思わぬトラブルに発展することも考えられます。
特に、初めて金融機関から融資を受ける場合は遠慮せずに質問し、不明点を解消することを心がけましょう。
必要書類の提出期限を守る
短期融資を申し込む際には、財務諸表や事業計画書などの書類が求められます。
これらの提出期限を守らないと、審査が遅れる、または融資そのものが受けられなくなる可能性もあります。
必要書類は事前にリストアップし、不足がないように準備することが大切です。
提出期限に間に合わない場合や、必要書類の内容に不明な点がある場合は、金融機関に早めに相談してください。
1回あたりの返済額を把握する
短期融資は返済期間が短いため、1回あたりの返済額が大きくなる傾向があります。
そのため、融資を受ける前に「月々いくらくらいの金額を返済する必要があるのか」を把握しておきましょう。
無理な返済計画を立てると、かえって資金繰りを圧迫することになりかねません。
現在の収支状況を踏まえて、現実的に返済可能なラインを見極めることが、健全なキャッシュフローにつながります。
融資を断られるリスクを考慮する
短期融資は比較的審査が柔軟とはいえ、必ずしも希望の条件でお金を借りられるわけではありません。業績や信用情報の状況によっては、融資を断られるケースも十分にあり得ます。
そのため、万が一の場合に備えて、ほかの金融機関や消費者金融など、複数の融資元を候補として挙げておくことがおすすめです。
また、審査に通らなかった場合は、自社の財務状態や信用情報を見直して再度融資に申し込む、またはファクタリングを含めたほかの資金調達方法も検討しましょう。
短期融資と長期融資のバランスも重要
本記事では、短期融資と長期融資をさまざまな点から比較しました。
それぞれ異なる特徴があるため、一概にどちらが良いとは言えません。
中小企業では短期融資を利用するケースが一般的ですが、資金繰りの状況によっては長期融資のほうが適しているケースもあります。
また、売掛金の回収までに時間を要し、それまでのつなぎ資金を調達したい方は、ファクタリングの利用もご検討ください。
資金調達ニュース.comでは、優良なファクタリング会社を数多く紹介しています。
資金調達にファクタリングを活用したい事業者様は、ぜひ参考にしてください。
OA機器販売会社にて財務・経理・人事などの要職を歴任し、豊富な実務経験を有する。
2021年には、日本中小企業金融サポート機構の代表理事に就任し中小企業の金融に関わる専門家として、中小企業の経営者や個人事業主が抱える資金面・経営面の課題解決に尽力。
「日本の中小企業の経営者・個人事業主の皆様が抱える資金面や経営面の課題を解決し、日本を元気で豊かにしたい」という信念のもと、さまざまな金融に関する悩みに対し、適切なサポートを提供している。