ここでは下記3つについて徹底解説をしていきます。
・売掛金管理の重要性
・売掛金管理表の作り方や活用方法
・売掛金未回収時の対処方法
ぜひ、最後までご覧ください。
売掛金管理の重要性
商品を売り上げた代金が回収できなければ、会社の経営は悪化します。
なぜなら、売掛金は利益と直結しているので、もし貸し倒れになってしまえば同じ金額を取り戻すには、売り上げを何倍も上げなければならないからです。
ただ、毎月の請求件数が100件以上になると、作業に手間や時間がかかるため、限られたスタッフだけで管理をするのには限界があります。
売掛金は金額が大きいにもかかわらず、実在が見えにくい性質を持っているからです。
商品が売れた場合、通常まず売り上げが計上されてその後に支払いが生じます。
代金が振り込まれるまでの1ヵ月から3ヵ月の間に仕入れの代金を支払わなければいけないので、回収できない売掛金が増えるほど資金繰りが難しくなります。
売り上げ成績はよいにも関わらず倒産してしまう会社では、このようなケースが少なくありません。
このように、売掛金の回収は会社の経営を大きく左右するので、できる限りスピーディーに行う必要があります。
手に負えなくなる前に管理のシステム化を図るなど早急に対応しないと、会社の損益や資金計画が立てられないだけでなく、取引先との信頼関係にも悪い影響が出てきます。
貸し倒れを防ぎ回収率を高めるためにも、売掛金の管理は先手を打つことがとても重要なのです。
売掛金管理のポイント
売掛金の管理を万全にするためには、どのような方法が考えられるでしょうか。
やはり、管理を担当するスタッフが回収に集中できるように、管理表を作るなどの仕組み作りが大切です。
上述したように、どれほど売り上げが伸びても、売上金が入らなければ資金繰りは悪くなっていきます。
確実に売掛金を回収するための管理業務は、会社を経営するもっとも基本的な活動の一つです。
ただ、業務内容は多岐にわたるので、管理を行うには、まず得意先元帳(売掛金元帳)を作ることが必要です。
回収漏れを防ぐために、取引金額の大小にかかわらずすべての取引先を管理対象とします。
分かりやすくするためにも、取引先ごとに確認できるように作成することがポイントです。
代金が発生した日付や請求の締め日・代金の回収予定月日・回収方法などを明確にして、確実に決められた期日までに売掛金を回収するようにします。
売掛金管理表の作り方
売掛金管理表は、見やすくするために得意先の数だけ作成するのが基本です。
会社の売り上げがどのくらい出ているかを知るためには、どの会社にどれくらい売ったか・売上金は入金されたか・入金されなかったお金はどのくらいあるかを、はっきりとさせなければいけません。
売掛金管理表を見て、会社ごとに未回収のお金がいくらあるかをはっきりさせることが、会社運営の最初のステップのひとつといえます。
エクセルを利用して、請求月ごとに取引先の会社名・前月の繰越残高・当月の売上金額(税抜き金額、消費税、税込み金額を分ける)・当月回収額・当月の売掛残高と請求日・入金日などを表にするとよいです。
また、表の中に、会社ごとに売掛金を回収するための条件などを書き加えておくと、件数が増えても混乱しなくて済みます。
回収が遅れている売掛金はセルや行に色を付けておくなどすると、対応の優先順位を判断しやすいです。
会計システムを利用するのも効果的
会計システムを利用するのも、売掛金の管理には効果的な方法です。
多くの会計システムでは売掛金元帳が利用できるので、入出金の状況を取引先ごとに確認することができます。
また、近年増えてきているクラウド型の会計システムの中には、入出金を入力するだけでそのまま売掛金管理につながり、売掛金と入金のマッチングを行ってくれるものもあります。
ただ、会計システムは売掛金管理をメインの目的としているものではないので、会計システムを利用する場合も足りない部分の管理はエクセルで補完するのがおすすめです。
売掛金管理表を活用しよう
取引先の会社が代金を支払う管理をしっかりとしていない場合があるので、ただ支払いされるのを待っているだけでは回収できない、というケースも発生します。
将来的に回収できるお金も含めて事業戦略を計画しなければいけないので、売掛金管理表を活用してスピーディーに代金を回収しましょう。
管理表で確認し、支払いの期日が近い会社に請求書を送ります。
請求書の締日までに代金が入金されているかをチェックし、まだ入金が済んでいない会社には、すぐに連絡を入れるようにします。
売掛金未回収時の理由ごとの対処法
売掛金の管理をどれだけきちんと行っていても、回収できない売掛金は発生してしまうものです。
売掛金未回収時の理由ごとの対処法について、以下で説明します。
取引先のミスなどで忘れられている
取引先の経理担当者がうっかり入金を忘れていたり、入金したつもりになったりしていて回収できていないというのは、未回収の中では対処しやすいケースです。
継続的に取引をしており、これまで特に何の問題もなく入金を行ってくれていたような相手の場合は、このケースがもっとも多いと言えます。
取引先に電話やメールなどで連絡を行い、支払いが行われていない旨を伝えれば、すぐに入金されることでしょう。
場合によっては自社が今後支払わなければならない買掛金と相殺する、という選択肢も考えられます。
取引先の資金繰りの問題で遅れている
取引先の資金繰りの問題で入金が遅れているのであれば、資金繰りが厳しいのは一時的なものなのか、それともしばらく継続しそうなのかを判断する必要があります。
一時的なものであれば、自社の資金繰りの余裕にもよりますが、期日を少し後ろにずらして後日あらためて入金してもらうとよいでしょう。
一部だけ入金してもらって、残りを後日入金してもらうといった方法も考えられます。
資金繰りが厳しい状態が続きそうで、多少待ったところで回収するのが難しそうな場合は、シビアな判断ですがどれぐらいなら回収できそうかということを考えなければなりません。
取引先との関係性や取引額の大きさなどに応じて対応はケースバイケースですが、今後も取引を継続するのかどうかも含めて、臨機応変な対応が求められます。
今後も取引を継続するのであれば、取引枠については見直す必要があるでしょう。
そもそも取引先に支払う意志がない
取引先に支払う意志がないとみられる場合は、今後その相手との取引を継続することは考えにくいので、ある意味対処は簡単です。
支払う意志がなくとも契約を結んでいる以上、相手に支払い義務が発生しているので、債権管理会社などに債権を譲渡して回収を任せるのがよいでしょう。
裁判所に介入してもらって、支払い督促や少額訴訟を行うという選択肢も考えられます。
ただ、取引先に資金的な余裕がなくて支払う意志を見せていない(見せられない)ような場合は、売掛金をすべて回収できない可能性があるということには、注意しておきましょう。
関連記事:ファクタリング会社と債権回収会社の違いを徹底解説
ファクタリングの活用も効果的
売掛金を回収することは、会社経営を続けていくうえでとても重要で、売掛金管理表を利用して効率よく確実に回収していかなければいけません。
ただ、どれほどしっかりと管理していても、取引先の会社によっては回収が滞ることがあります。
資金繰りに困らないために早めに資金化したいという場合、ファクタリングを活用するという方法もあります。
ファクタリングとは、売掛金の入金を待ちたくないという思いが実現されたサービスです。
このサービスでは、ファクタリング会社に入金が予定されている売掛金を壌渡することで、売掛金から手数料を引いた額を先に入金してもらい、資金化することができます。
本来なら、1ヵ月から3ヵ月ほど入金を待たなければいけないのが、このサービスを利用することで現金を素早く手にすることができます。
特に入金サイクルが長い会社と取引をしている場合、活用を検討する価値はあるでしょう。
関連記事:ファクタリングとは?基本的な情報をまとめて解説
関連記事:安心の大手ファクタリング会社18選【種類別】