ここでは下記4つについて徹底解説をしていきます。
- トラックの寿命の目安
- 買い替えタイミングの見極め方
- トラック買い替えの助成金・補助金
- トラック買い替え時の資金調達方法
ぜひ、最後までご覧ください。
トラックの寿命の目安
トラックの寿命の目安は以下の項目から判断して、総合的に決めるのがおすすめだとされています。
耐久年数の目安
トラックの寿命の目安は、全日本トラック協会が2010年に調査した「平均使用年数」によると、普通トラックで14.87年、小型トラックで11.92年です。
過去のデータから見ると1975年から2010年まで毎年、右肩上がりで使用年数は伸びています。
年数の目安としては、10年から15年を一つの目安と考えておくとよいでしょう。
走行距離による目安
走行距離の目安はトラックの大きさによって変わり、小型トラックで10万キロ、中型トラックで50万キロ、大型トラックで70万〜100万キロを目安にすることが一般的です。
大型トラックは小型トラック以上に一回あたりの走行距離が長く、発進や停止などのエンジンに負担のかかる動作が少ないため、より長い距離を走ることができます。
エンジントラブルの発生
10年を過ぎるころから、トラックのエンジンは徐々に調子が悪くなってきます。
エンジントラブルが頻繁に発生してメンテナンス費用がかさみ始めてきた場合は、できるだけ早いタイミングでトラックの買い替えを検討することが必要です。
買い替えタイミングの見極め方
中古トラックの買取業者による査定では、購入から7年目までであれば高額での買取が期待できます。
そして購入してから10年を過ぎると、買取価格は大幅に低下します。
トラックの寿命にまだ余裕があるからといって買い替えのタイミングを逃してしまうと、買取価格が下がること以外に、メンテナンスや修理にかかる費用も増加してくるでしょう。
修理の事例としては、オイル漏れの場合、修理費用は約20万円近くかかります。
さらにトラブルが進み、エンジンのオーバーホールが必要になってくると、100万円を超える修理費用がかかることもあるのです。
そうならないように、できるだけ早いタイミングでトラックの買い替え時期を見極めることが必要です。
7年を過ぎてもトラックはまだまだ走りますが、定期的なメンテナンスをより徹底しなければ、徐々に安全走行も難しくなってきます。
買取価格とメンテナンス費用の総合的なバランスを考慮して、ベストなタイミングでトラックの買い替えを検討することが必要です。
買い替えタイミングを逃すとどうなる?
買い替えるべきかどうか悩んでいると、適切な買い替えタイミングを逃してしまう可能性もあります。
買い替えタイミングを逃すことで被る可能性のあるデメリットについて、以下で説明します。
今のトラックの買取価格が下落する
上述したように、トラックは購入してから10年経つと買取価格が大幅に下落してしまいます。
トラックの買取価格は、新しいトラックを購入する資金の一部にもなるので、買取価格が下がってしまうということは、その分だけ会社の資金繰りに影響を与えるのと同じです。
購入して10年のタイミングが近づいてきているのであれば、必ずそれまでには買い替えるよう心がけましょう。
よい車種が購入できない可能性がある
買い替えを検討しているトラックは、利用してある程度の年数が経っているケースが大半です。
そのため、買い替えを見送っていると突然故障して使えなくなってしまう可能性も、十分考えられます。
そういったケースでは急きょ新しいトラックを購入しなければなりませんが、予定にないタイミングでの購入になると、条件に合った車種を購入できるとは限りません。
サイズや機能など何らかの条件を満たせていないトラックを購入すると、業務に支障が出る可能性も考えられます。
タイミング次第では資金調達が大変
故障による買い替えなど、本来想定していないタイミングでの買い替えになると、トラック買い替えに利用できる資金が会社に残されていないことも考えられます。
そのような場合は資金調達を行う必要がありますが、トラック購入を急ぐ必要があるため、資金もできるだけ早く調達しなければなりません。
急いで資金を調達できる方法となるとなかなか限られてくるため、資金調達の面で苦労する可能性も高いです。
排気ガス規制への対応もネックに
トラックの排気ガス規制は、年々厳しくなってきています。
2002年に施行された自動車NOx・PM法では、大都市圏(関東圏・関西圏)などの規制対策地域において、一定の基準に適合しない車両は新車登録ができない、乗り入れができないなどの規制が設けられています。
それに伴い、DPF装置というディーゼル微粒子捕集フィルターの装着が義務づけられました。
DPF装置はディーゼル車の排気ガスを浄化する装置で、古いトラックにはこれらが付いていないため、そのようなトラックにはこの装置を新たに付ける必要があります。
費用は10万円から40万円程度かかるでしょう。
また、このDPF装置を装着すると排気ガスは綺麗になりますが、燃費は悪くなるのです。
このように排気ガス規制が厳しくなり、古い基準のエンジンを載せたトラックだと、大きな出費につながる可能性があります。
古いトラックを長く使用していると今後、さらに規制が厳しくなり、また新たな浄化装置が必要となる可能性もあります。
7年から10年のサイクルを目安に、最新の規制に適合したエンジンを搭載したトラックに買い替えていけば、長い目で見るとトータル費用の削減にもつながります。
トラック買い替えの助成金・補助金
トラックの買い替えに利用できる助成金や補助金は、国や公益社団法人である「全日本トラック協会」などによって設けられています。
助成金も補助金も意味合いはほぼ同じですが、国が設けているのが補助金、全日本トラック協会が設けているのが助成金です。
以下では、トラック買い替えに利用できる助成金および補助金について、説明します。
補助金
国が設けている補助金の中で、トラックの買い替えに利用できるものは、主に以下の3つです。
- 電動化対応トラック・バス導入加速事業
- 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
- 自動車環境総合改善対策費補助金
補助金の対象になる車種などはそれぞれ異なりますが、いずれも環境に配慮したトラックを購入することで補助金を利用することができます。
環境に配慮したトラックは一般のトラックより少し価格が高いことも多いですが、補助金を利用することで費用負担をある程度相殺することが可能です。
助成金
全日本トラック協会が設けている助成金の中で、トラック本体の買い替え時に利用することができるのは、「環境対応車導入促進助成事業」の助成金です。
環境対応車導入促進助成事業は、環境負荷の低減および代替エネルギー対策の推進による安定的な輸送力を確保することを目的として、環境対応車の導入を行う事業者に対して、必要な経費の一部を助成する事業です。
助成対象となるのは、車両総重量が2.5トン超である下記の車両です。
- 天然ガス自動車(新車)
- ハイブリッド自動車(新車)
- 天然ガス自動車(使用過程にあるディーゼル車からの改造)
ただし、本助成金を利用するためには、原則として国の補助金を併用しなければなりません。
そのため、上述した3つの補助金のいずれかを利用したうえで、本助成金を利用するという流れになります。
助成額は車の種類などの条件に応じて変わるため、詳しくは全日本トラック協会のホームページでご確認ください。
公式サイト:全日本トラック協会 | Japan Trucking Association
トラック買い替えの資金調達方法
新たなトラックの買い替えやメンテナンスのための資金調達方法として、金融機関からの融資以外で、ファクタリングを利用する方法があります。
ファクタリングとは、売掛金を売掛先からの入金前に資金化する資金調達方法です。
一般的な取引であれば、商品やサービスを納品し、売掛先から入金されるまで約1カ月から2カ月先にならないと、売掛金を資金化できません。
しかしファクタリングを利用すれば早い場合、即日で資金化できるメリットがあります。
この得た資金によって金融機関から融資をしてもらうことなく、新たなトラック購入費用、会社の運転資金に充てることができます。
また銀行融資やビジネスローンなどと違い、企業の業績などが審査対象ではなく、売掛先の信用力が審査の対象です。
そのため企業規模が小さな企業でも、信用力のある大きな企業と取引していれば、ファクタリングを利用することができます。
トラックの買い替えは計画的に
トラックの買い替えは、7年から10年程度を目安に買い替えていくことが、最終的に費用の削減につながります。
この記事を参考に、トラック買い替えのタイミングを検討してみてください。
資金調達に関しては負債にならず、返済の心配もないファクタリングがおすすめです。
関連記事:ファクタリングは運送業に最適!おすすめの会社7選を紹介
参考記事:運送・物流業界向けオンラインマガジン|トラッカーズマガジン