アパートやマンションを経営する場合には、十数年に一度の大規模なリフォームや、その他にも定期的な小さなリフォームが必要になります。その時に補助金を利用できることがあります。どのような場合に利用できるのでしょうか。
新たな住宅セーフティネット制度とは
「新たな住宅セーフティネット制度」というものをご存知でしょうか。
それは平成29年4月公布の、住宅セーフティネット法の改正法のことを指します。
同年10月25日に施行となり、内容は高齢者や生活保護受給者、低所得者などの「住宅確保要配慮者」に対して、入居を拒むことのない賃貸住宅の登録制度などです。
この新たな住宅セーフティネット制度は主に3つの要因から成り立っています。
一つ目は、住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度です。
これは簡潔にいうと低所得などの理由から、賃貸住宅に入居しづらい人たちの住居を確保することが目的です。
アパートやマンションのオーナーが、各都道府県に登録することにより、要配慮者向け賃貸住宅として活用できるようになります。
二つ目は、登録住宅のリフォームや入居者への経済的支援です。
これは登録住宅へ国と地方公共団体から補助金が出るという仕組みです。
三つ目は、住宅確保要配慮者の居住支援です。
これは入居者の居住支援活動に対する補助などがあります。
ただし、すべての賃貸住宅が登録できるわけではありません。
登録基準がいくつか設けられています。
それは床面積が25平米以上の建物であることや、建物の構造が耐震性に優れていること、台所やトイレ、洗面所などの一定の設備が整っていることなどが挙げられます。
他にも、家賃が近隣のアパートと乖離していないことや、その基本方針が地方公共団体の定める計画に適切なものであることなどがあります。
住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業の補助金を活用しよう
アパートのオーナーの中には、要配慮者用賃貸住宅に登録をしたいと思った場合、貸すためにリフォームなどを施さなくてはならない建物も中にはあります。
その建物をリフォームする場合には、国や地方公共団体から補助金が支給されます。
ただし、リフォームの際に補助金を受給するにはいくつかの要件があります。
それは要配慮者専用住宅として10年以上登録することであったり、入居者の家賃の額が一定以上の金額にならないようにしたりすることなどがあります。
さらに、入居者に対しても補助対象の要件があります。
高齢者や身体障害者、子育て世帯や外国人世帯などの人たちを住まわせた場合に補助の対象となるのです。
とはいえ、一定の条件をすべて満たしていたとしても、満額補助金が支給されるわけではありません。
金額は1戸につき最高50万円までと限度額が決められています。
また、補助率も、改修工事に要する費用の3分の1までの金額と決められています。
しかし、間取りの変更工事や、耐震改修工事、共同用住宅に仕様変更するための工事であれば、限度額が1戸につき100万円まで支給されます。
どのような工事が補助の対象となるのか
要配慮者用賃貸住宅への改良工事では、すべてのリフォームで補助金が支給されるわけではありません。支給対象になるのは主に間取りの変更工事や耐震改修工事、バリアフリー改修工事、ヒートショック対策のための断熱材の設置工事などが補助の対象になります。
他にも、共同用住宅に用途変更するための大規模な工事や、居住するために最低限必要と認められた工事なども補助金支給の対象です。このような住宅では特に、バリアフリーへの変更が重要になります。
また、高齢者や障がい者でも安心して入居できる間取りへの変更が大切です。例えば、段差をなくしたり、車いすでもスムーズに出入りできたりするような仕様変更が求められます。
補助金を申請するときの注意点
補助金を申請するときの注意点としてまず、補助金交付の事前申請が必要になる事です。
ここで重要なことは「工事に着手する前」に申請することです。
もしも、工事を始めてしまってから申請したとしても、補助対象にならないので注意が必要です。
必ず工事を始める前に各都道府県に申請しておくようにしましょう。
もう一つ大事なことは、補助金が交付される時期が、「工事完了後」になることです。
ですから、補助金の交付を受けるまでは、自費でリフォーム費用を賄う必要が出てくることです。
そのために、資金に余裕を持たせておかなければ、お金が足りなくなる可能性もあるので注意が必要になります。
そのような資金不足に陥った時に有効な資金調達方法を紹介します。
それは、「ファクタリング」で早期に現金を手にするという方法です。
例えば、複数の収益物件を購入して運用している場合、ほかの収益物件の家賃収入を「ファクタリング」によって早期に現金化することができるのです。
ファクタリングは、資金が足りないときなどに活用したい売掛金を迅速に現金化できる資金調達サービスです。
資金が不足したときは、銀行から融資を受けるという方法もありますが、それでは審査などで時間がかかってしまいます。
しかし、ファクタリングであれば、銀行融資よりも早く資金を用意することが可能になります。
ですから、緊急性の高い資金調達においてはファクタリングを利用することも検討してみましょう。
所有するアパートのリフォームには補助金を利用することが可能な場合がありますので、日ごろから情報を集めておくとよいでしょう。
補助金の受給は工事完了後の交付になるので注意が必要です。リフォーム費用を捻出する方法は事前に検討しておきましょう。
関連記事:ファクタリングとは?基本的な情報をまとめて解説
ファクタリング企業一覧はこちら
ファクタリング企業比較はこちら