近年、大手サイトがテレビCMを打つようになるなど、世間的な知名度も高くなってきたクラウドファンディング。 起案者として資金を募ろうと思われている方も、出資者として魅力的なプロジェクトに出資しようと思われている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。本記事では、クラウドファンディングのメリットおよびデメリットについて徹底解説します。実際にクラウドファンディングを利用する前に、ぜひ参考にしてみてください。
ここでは下記2つについて徹底解説をしていきます。
・起案者にとってのクラウドファンディングのメリット・デメリット
・出資者にとってのクラウドファンディングのメリット・デメリット
ぜひ、最後までご覧ください。
起案者側のメリット
クラウドファンディングを利用するのは、支援を募る「起案者」と支援を行う「出資者」です。
双方にとってメリットやデメリットは異なるので、まずは起案者にとってのメリットについて説明します。
資金調達の選択肢の幅が広がる
起案者にとって最大のメリットは、資金調達の選択肢の幅が広がることです。
資金調達の主な方法としては、銀行融資やベンチャーキャピタルなどからの出資、ファクタリングなどが挙げられます。
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ただ、これらの方法は会社によっては利用できないケースもあります。
融資や出資を受けられないような会社や個人事業主にとって、クラウドファンディングは貴重な資金調達の方法のひとつです。
プロジェクト自体のPRになる
クラウドファンディングでは、各クラウドファンディングのサイトでプロジェクトページを作成・公開して資金を募りますが、そのこと自体がプロジェクトのPRの一環になります。
本来であれば、プロジェクトのPRなどはお金をかけて行うべきものです。
それが資金調達と一緒に行えてしまうというのは、クラウドファンディングの非常に大きなメリットと言えるでしょう。
懐事情に応じたリターンを設定できる
クラウドファンディングのリターンは、起案者が自由に設定することができます。
現金をリターンにすることも可能ですが、資金調達のために行っているクラウドファンディングでリターンを現金にしてしまうのは、本末転倒な場合があります。
プロジェクトで手がける商品やサービスなど、現金以外のものをリターンに設定することで、運転資金に影響を及ぼすことがありません。
現金以外のリターン例としては、具体的に以下のようなものが挙げられます。
・新規オープンするお店限定で利用できる商品券のようなチケット
・プロジェクトで手がけるアロマキャンドルの詰め合わせ
出資者側のメリット
続いて、出資者にとってのメリットについて説明します。
魅力的な商品やサービスを利用できる
プロジェクトによる魅力的な商品やサービスを利用できるのは、出資者にとっての大きなメリットです。
まだ一般販売されていないような商品をリターンとして一足早く利用できるのも、クラウドファンディングならではの醍醐味です。
社会貢献につながる
クラウドファンディングにはいろいろな種類がありますが、「寄付型」のクラウドファンディングは、社会貢献性の高いプロジェクトが多いのが特徴です。
被災地や難病患者に対する支援、盲導犬の育成などのプロジェクトを支援することで、社会貢献ができているという実感を得られるでしょう。
クラウドファンディングを通じてさまざまな世界や分野の現状を知ることもできるので、より一層の支援を行おうという気持ちも湧いてきます。
なお、「寄付型」のクラウドファンディングにはリターンが設定されていないので、出資する場合にはその点には注意しておきましょう。
「寄付型」であれば節税にも役立つ
「寄付型」のクラウドファンディングに対する出資は、寄附金控除の対象になります。
そのため、出資をして社会貢献をしながら、自身の所得税や住民税を減らすこともできるのです。
なお、寄附金控除の恩恵を受けるためには確定申告を行わなければならないので、忘れずに行うようにしましょう。
起案者側のデメリット
起案者・出資者双方にとってのメリットについて説明してきましたが、もちろんデメリットがないわけではありません。
まずは、起案者にとってのデメリットについて説明します。
アイデア盗用の危険性がある
クラウドファンディングでは、プロジェクトページにプロジェクトの内容やアイデアを掲載しなければなりません。
資金力がある競合にアイデアを把握されることで、自分たちがプロジェクトをスタートさせる前に、類似商品やサービスが世に出てしまう可能性もあります。
プロジェクトの内容やアイデアを知っただけでは、意味がないような工夫を施しておくことが望ましいでしょう。
具体的には、アイデアに関する特許を取得しておくことなどが挙げられます。
プロジェクトの取り下げができない
クラウドファンディングでは、一度出資を募ったプロジェクトを取り下げることはできません。
出資金が集まったはいいもののプロジェクトが頓挫してしまうようでは、社会的な信用の失墜にもつながりかねません。
出資が集まったら本当に実施が可能なのかを事前にじっくり判断したうえで、プロジェクトの公開に踏み切るようにしましょう。
事務手続きに手間がかかる
クラウドファンディングを行うと、出資者に対する定期的な情報の公開やリターンとなる商品の発送手続きなど、一定の事務手続きが必要になります。
出資者が多くなればなるほどその手間は増えるので、事前にそういった部分に対するコストも考慮しておかなければなりません。
事務手続きを行うために事務員を一人追加で採用するようなことになれば、得をしているのかどうかよく分からなくなってしまいます。
出資者側のデメリット
続いて、出資者にとってのデメリットについて説明します。
資金を持ち逃げされる可能性がある
悪質な起案者によって、出資したお金を持ち逃げされてしまう可能性があるのは、大きなデメリットと考えられます。
持ち逃げとまではいかないものの、当初想定している通りの使途に資金が利用されていないということも、ありえるかもしれません。
プロジェクトスタート後に、途中経過や進捗などを公開することを確約しているなど、信頼できる起案者を選んで出資することを心がけましょう。
基本的に支援のキャンセルはできない
出資後に悪質な起案者と気付いたとしても、一度出資を行った分に関しては基本的にキャンセルを行うことはできません。
起案者が信頼できるか、プロジェクトの内容が理にかなっているかなどを慎重に判断したうえで、支援を行う姿勢が求められます。
リターンが期待外れな場合がある
リターンに設定されている商品は、プロジェクトが進行しなければ具体的にどのようなものになるか分からない場合もあります。
そのため、実際にリターンとして届けられる商品が期待外れなクオリティである可能性も、否定できません。
また、クラウドファンディングの中にはプロジェクトによって挙げられた利益によって、出資者に対するリターンが変わるようなものもあります。
プロジェクトの状況が芳しくないと、思っていたほどのリターンが得られない可能性もあるでしょう。