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売掛債権を担保に融資を受けるときの注意点

売掛債権を活用する資金調達方法といえばファクタリングがよく知られていますが、もう一つ、売掛債権担保融資という方法もあります。
売掛債権担保融資で資金を得る方法や、融資を受けるときに知っておくべき注意点などについて解説します。
目次
売掛債権を担保に融資を受けることはできる?
売掛債権は担保にすることができます。銀行などの金融機関に担保として差し入れて、融資を受けることが可能です。
売掛債権を担保にして融資を受ける方法は「売掛債権担保融資」と呼ばれています。
また、よく似た融資にAsset Based Lending(流動資産担保融資:ABL)があります。ABLの方がやや範囲は広く、売掛債権だけではなく在庫なども担保の対象となります。
売掛債権担保融資(売掛金担保融資)とは
まず、売掛債権とは取引先との販売取引や営業活動によって生じる売掛金または受取手形のことです。
噛み砕いていえば、商品を販売したけれどもまだ受け取っていない代金を請求できる権利のことです。
売掛金は販売取引や営業活動で生じる未収入金のことで、1年以内に現預金で回収が見込まれるものをいいます。
売掛債権担保融資(売掛金担保融資)とは、この売掛債権を担保とし、実際に売掛金が納入されるまでの運転資金などを調達する融資のことです。
融資金額は当然ながら、売掛債権の金額の範囲内となります。
売掛債権担保融資は経済産業省の中小企業庁が推奨する融資方法でもあります。
2001年の中小企業信用保険法改正で創設された「売掛債権担保融資保証制度」は、中小企業が売掛債権担保融資を利用する場合、信用保証協会が当該の債務について保証するという制度です。
その目的は中小企業の資金繰りの円滑化を図ることにあります。
売掛債権を担保に融資を受けるときの注意点
売掛債権担保融資を利用する際は、売掛先からの承諾を得る必要はありません。ということは、売掛先に知られることなく融資を受けられるということです。
ただし、万一、融資の返済ができなくなった場合は、貸し手である金融機関から売掛先へ債権譲渡が通知されます。また、売掛金から残債が回収されます。
また、債権譲渡禁止特約が付いている売掛債権は担保とすることはできません。
売掛金の中には、売掛金が発生する商取引の契約書において債務者が譲渡を禁止する旨を記している場合があり、これが債権譲渡禁止特約に当たります。
さらに、売掛債権担保融資を利用する際に、債権譲渡登記などに必要となる手数料が発生する可能性があります。
債権譲渡登記は法務局の登記所に備えられた登記簿に売掛債権が譲渡されたことを記録することです。
売掛債権担保融資は債権譲渡登記制度ありきの融資方法なので、必ずこの登記を行うことになります。
参照:債権譲渡登記|東京法務局
もう一つ、融資実行まで若干、時間がかかるのも注意点です。
債権譲渡登記をしなければならないことに加えて、売掛先の信用力の調査、売掛先と売掛金保有会社の間の契約書・発注書・請求書・納品書などの書類の確認作業などがあるためで、融資されるまで数日程度待たされることが多いでしょう。
売掛債権担保融資を利用する方法
売掛債権担保融資では銀行やノンバンクに融資を申し込むことになります。銀行は安心して取引ができますが、審査は厳しめになります。
ノンバンクは審査が緩く手続きのスピードも早いことが多いものの、銀行よりも手数料や金利が高い傾向があります。
申込から融資までは、以下のような流れになるでしょう。
- 銀行かノンバンクに申し込む。
- 必要な書類を提出して審査を受ける(銀行の場合は信用保証協会の審査を受け、ノンバンクの場合は直接、審査を受ける)。
- 融資額が決定される。
- 融資実行。
- 売掛金が入金されたら、期限までに金融機関に返済する。
関連記事:銀行借り入れの際に担保にできるもの・できないものには何がある?
売掛債権担保融資とファクタリングの違いと共通点
ファクタリングは会社が保有する売掛金をファクタリング会社に買取ってもらって現金化する方法です。
売掛債権担保融資もファクタリングも、売掛債権を保有していれば、実際に売掛金が支払われるまでのつなぎ資金として利用できます。
また、売掛金を早期に現金化できる点(ファクタリングの方がスピーディーとはいえます)、売掛先に知られずに利用できる点も共通点です。
相違点はまず、売掛債権担保融資の申込先は銀行やノンバンクなので、ファクタリングに比べると資金調達コストが安いことです。
一方、デメリットとしては売掛債権担保融資には貸し倒れリスクがあることが挙げられます。
仮に売掛先が倒産するなどして支払い期日までに売掛金を回収できず不良債権化した場合などは、支払い義務が生じます。
ファクタリングでは売掛債権を売却するので、貸し倒れリスクはファクタリング会社が引き受けます。
また、売掛債権担保融資は会計上で負債として扱うことになりますが、ファクタリングは負債にはなりません。
関連記事:債権流動化とファクタリングの違いとは?
まとめ
売掛債権担保融資を利用すれば売掛金の早期現金化が可能です。
ファクタリングと比較すると、資金調達コストは安いですが、貸し倒れリスクがあり、審査に時間がかかります。自社の状況に合わせて、選択すると良いでしょう。
関連記事:おすすめのファクタリング会社16選
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