これまでに借入を行ったことがない方は、どのようなローンを選べばよいのか、どういった点に注意して比較すればよいのかといったことも、なかなか分からないでしょう。今回は、数ある借入方法の中から、個人の方にもおすすめの方法(各種ローンや質屋、キャッシングなど)をセレクトして、ご紹介します。借入方法の選択で、失敗しないためのポイントも合わせて解説します。
ここでは下記2つについて徹底解説をしていきます。
・個人が借入を行う際に意識するべきポイント
・意識すべきポイントごとのおすすめの借入方法
ぜひ、最後までご覧ください。
借入で意識しておくべきポイント
借入方法を比較するからには、借入においてどのような要素が重要であるかを把握しておかなければなりません。
借入で意識しておくべき主なポイントについて、以下で説明します。
借入可能額
お金を借りようと思う場合、具体的にどれくらいの金額が必要かは見当が付いていると思います。
仮に300万円を借りたいと思っているのであれば、借入可能な金額の上限が200万円のローンに申し込んでも意味がありません。
実際に借り入れられる金額は審査によって決まりますが、少なくとも「自分が借り入れたい金額<借入可能な金額の上限」となっているローンを選ぶようにしましょう。
関連記事:何が必要? 信用金庫の借入条件
金利
金利は返済時に上乗せする利息の計算に用いられるので、返済負担にダイレクトに関わってきます。
そのため、なるべく金利が低いところから借入を行うことで、無理のない返済計画を立てやすいでしょう。
ただし一般的なローンは、「適用金利:○○%~××%」というように幅が設けられており、実際にどれくらいの金利が適用されるかは審査によって決まります。
審査の厳しさ
ローンは申し込んだら誰でも借入を行えるというわけではなく、必ず審査を受けなければなりません。
一般的に好条件(金利が低い、借入可能額が大きいなど)で融資を受けられるローンほど、審査は厳しめに行われる傾向にあります。
審査に通過できるかどうか不安な場合は、融資条件と審査難易度のバランスをどのあたりで取るかについても、意識しなければなりません。
融資を受けられるまでのスピード
お金を必要とするタイミングは各個人で異なりますが、なるべく早くお金を借りたいという場合は、融資スピードについても意識しておく必要があります。
ローンの中には最短即日融資が可能なものもあるので、急ぎの場合にはそういったローンを中心に検討するとよいでしょう。
また、申し込み方法や申し込むタイミングによっても、即日融資を受けられるかどうかが変わってきます。
郵送ではなく電話やインターネットで申し込むこと、なるべく早い時間帯に申し込むことを心がけましょう。
関連記事:【シンプルに解説】銀行融資の流れやコツは?個人事業主も
まとまった金額を借り入れる方法
借入で意識しておくべきポイントについては上述した通りですが、ではそれぞれのポイントを意識した際に、具体的にどのような方法が候補に挙がるのでしょうか。
以下では、それぞれのポイントを満たす方法をいくつか紹介していきます。
まずは借入可能額を意識した場合に、まとまった金額を借り入れる方法についてです。
不動産担保ローン
借入可能額はローンごとに設定されていますが、不動産を担保にして融資を受けるローンでは、借入可能額の上限が大きめ(1億円程度)に設定される傾向にあります。
万が一返済が滞ってしまった場合でも、担保があれば融資金を回収しやすいです。
その担保が不動産である場合には、金融機関としても安心してまとまった金額の融資を行いやすいです。
利用する人を選ぶ方法ではありますが、担保に設定できる不動産を所有している方にはおすすめの方法です。
関連記事:不動産担保ビジネスローンが審査に通りやすい理由解説!デメリットも
フリーローン
フリーローンは、資金使途が自由なローンです。
資金使途が自由なローンにはほかにもカードローンがありますが、フリーローンのほうが借入可能額や適用金利などにおいて、有利な条件が設定されていることが多いです。
同じ金融機関が取り扱っているものであれば、カードローンとフリーローンでは金利に3%~5%近い違いがあるケースが多いです。
借入や返済の自由度においてはカードローンに劣りますが、自由度よりもまとまった金額を借り入れることを優先したい場合は、フリーローンのほうがおすすめです。
フリーローンは基本的に無担保・無保証で利用できることが多いですが、担保を設定することでより多くの金額を借り入れられるようになるものもあります。
低金利で借り入れる方法
続いて金利を意識した場合に、低金利で借り入れる方法について紹介します。
銀行のカードローン
カードローンは取り扱われている金融機関によって、金利や借入可能額などの傾向が微妙に異なります。
銀行のカードローンは、信用金庫や消費者金融などが取り扱っているカードローンと比べると、比較的低めの金利で借入を行うことができます。
たとえば消費者金融が取り扱っているカードローンでは、上限金利が18.0%近くのことが大半です。
これに対して銀行のカードローンは、上限金利が12.0%~15.0%程度で設定されていることが多いです。
銀行によっては、条件を満たすことで適用金利が引き下げられるようなカードローンを取り扱っていることもあるので、さらに好条件で借入を行える可能性もあります。
また、今回は低金利での借入方法として紹介していますが、銀行のカードローンはカードローンの中でも借入可能額が大きめに設定される傾向にあります。
そのため、まとまった金額を借り入れたい場合の方法としても、重宝するでしょう。
関連記事:銀行のカードローンとは?審査や金利などの特徴を徹底解説
目的別ローン
カードローンやフリーローンは資金使途が自由のローンですが、マイカーローンやウェディングローンなどのように、資金使途がある程度制限されているローンもあります。
そういったローンのことを一般的に目的別ローンと言いますが、目的別ローンは資金使途自由のローンよりも適用金利が低めに設定されやすい傾向にあります。
お金を借りたい目的が決まっており、その目的に合致したローンがあるのであれば、そちらを利用することで返済負担を軽くできるでしょう。
審査が不安な方が借り入れる方法
続いて審査難易度が低く、比較的借り入れやすい方法について紹介します。
消費者金融のカードローン
消費者金融が取り扱うカードローンは、カードローンの中でも審査難易度が低い傾向にあります。
大手の消費者金融ではカードローンの審査通過率を公開しており、データ取得時期によって多少の変動はあるものの、おおむね40%前後の通過率です。
銀行はカードローンの審査通過率を公開していませんが、一説には20%程度だとも言われているので、消費者金融のほうがはるかに審査に通りやすいことは間違いありません。
その分金利などは高めに設定されることが多いですが、借りやすさを重視する場合にはおすすめの方法です。
大手の消費者金融では、借り入れに際して無利息期間が設けられていることもあるので、うまく活用できれば金利が高いというデメリットもあまり気になりません。
また、消費者金融のカードローンは審査スピードも速く、最短即日で融資を受けられる場合もあります。
後述する「なるべく早く借り入れる方法」では別の方法を紹介していますが、消費者金融のカードローンもその際の候補になるでしょう。
質屋を利用しての借入
一般的な金融機関を利用する方法ではありませんが、質屋を利用して借入を行うという方法も効果的です。
質屋では、預け入れた質草の価値に応じた金額を借り入れることができます。
質草という担保をもとにしてお金を借りるので、審査を受ける必要がありません。
質屋で設定される金利は、カードローン等とは異なり月利であることが多いです(カードローン等は年利)。
利用する質屋にもよりますが、適用される金利は月利1.5%~3%程度のことが多いです。
借り入れた金額を返済すれば質草を回収できますし、万が一返済できない場合でも、預け入れている質草を失うだけで済みます。
返済負担と質草を失うことを天秤にかけて判断できるのは、ほかの方法にはないメリットと言えるでしょう。
不動産担保ローンと同様に、質屋に預け入れられる質草を持っていなければ利用できない方法であることには、注意しておきましょう。
即日借り入れる方法
最後に融資を受けられるまでのスピードを意識した場合に、なるべく早く借り入れられる方法について紹介します。
クレジットカードのキャッシング
クレジットカードには、ショッピングに利用できるショッピング枠のほかに、キャッシングに利用できるキャッシング枠が付帯しています。
ここまで紹介してきたカードローンやフリーローンなどは、利用するためには申し込み→審査→契約という手続きが必要でした。
しかしすでにクレジットカードを持っているのであれば、そのキャッシング枠を利用するためにわざわざ審査を受ける必要はありません。
ATMなどにクレジットカードを挿入して手続きを行うだけで、すぐに借入を行うことができます。
ただし、クレジットカードを発行する際にキャッシング枠を付帯させないことを選んでいた場合は、この方法は利用できません。
また、キャッシング枠で利用できる金額はショッピング枠で利用できる金額と合算になっていることが多いです。
そのため、すでにショッピング枠で利用している金額によっては、必要な金額の借入を行えない可能性もあります。
関連記事:カードローンとキャッシングの違い
友人や親族などからの借金
借入を行うために審査を受けなければならないのは、それが金融機関からの借入だからです。
友人や親族にお金が必要な事情を伝えてお願いすれば、金額によってはすぐにお金を貸してくれる可能性もあるでしょう。
親しい関係同士でのやり取りであるとはいえ、念のため借入に関する書面などを作成しておけば万全です。
ただ、周囲の人からお金を借りた場合は、金融機関から借入を行った場合よりも返済に対する意識が希薄になりがちです。
お金の問題は人間関係を容易に壊せる力を持っているので、金融機関から借入を行うのと同じぐらいの意識を持って、きちんと返済することを心がけましょう。