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プロパー融資とは?メリット・デメリット、申し込み時の注意点を解説

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プロパー融資とは?メリット・デメリット、申し込み時の注意点を解説

銀行の事業用融資には、大きく分けてプロパー融資と信用保証協会の保証付き融資という2つの種類があります。
このうち、プロパー融資は銀行が独自に提供する金融商品であり、利用する企業の側からすれば、高額な資金を低金利で借りられるなどメリットの大きい資金調達方法です。

今回はプロパー融資での資金調達を考えるとき、融資を希望する企業の経営者が知っておくべきポイントを挙げて解説していきます。

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ここでは下記3つについて徹底解説をしていきます。
・プロパー融資とは何か
・プロパー融資のメリット・デメリット
・プロパー融資で資金調達する方法

 

ぜひ、最後までご覧ください。

 

プロパー融資とは

プロパー融資とは銀行が公的機関からの保証などを受けることなく、単独で調達した資金をみずからリスク負担して、企業に貸し付ける融資のことです。

 

プロパー(proper)には「正規の、本来の、独自の」という意味があります。

プロパー融資は個別の案件ごとに審査を行う、定型化されていない直接の融資で、銀行は100%自行の責任でこれを実行します。

 

仮に融資先企業が経営不振や倒産で支払い不能になれば、担保などで回収できなかった残債はすべて銀行の損失となります。

その分、銀行にとってはリスクの高い金融商品です。

プロパー融資と信用保証協会の保証付き融資の違い

プロパー融資とよく対比して説明されるのが、信用保証協会の保証付き融資です。

 

信用保証協会は、信用保証協会法に基づいて設立された、中小企業や小規模事業者の資金調達の円滑化を支援する公的機関であり認可法人です。

 

保証付融資では、仮に融資先企業の返済が滞った場合は、企業に代わって信用保証協会が銀行に立て替え払い(代位弁済)を行います。

 

この保証を得る対価として、融資を受ける企業は所定の信用保証料を支払います。

 

信用保証協会が公的な保証人となる信用保証制度は、もともと銀行からの融資を得るのが難しい中小企業が、スムーズに資金を調達できることを目的として創設されたものです。

 

そのため、保証付き融資では、プロパー融資と比較して審査の基準がはるかに低くなっています

 

銀行にとっては貸し倒れなどのリスクを軽減できるため貸しやすく、中小企業にとっては審査が厳しくないので借りやすいのが保証付き融資というわけです。

 

信用保証協会という仲介的な役割を果たす存在があるかどうかが、プロパー融資と信用保証協会の保証付き融資の大きな違いです。

プロパー融資のメリット

プロパー融資のメリットとしては、主に以下のようなことが挙げられます。

 

低金利で融資を受けられる

プロパー融資は、信用力の高い企業にしか適用されない融資なので、必然的に金利も低めに設定されやすくなります

金利は返済負担にダイレクトに関わってくる要素なので、プロパー融資を受けることで資金繰りも悪化しにくくなるでしょう。

借り換えでプロパー融資を利用することができれば、返済負担が一気に軽くなります。

融資限度額が決められていない

信用保証協会の保証付き融資では融資額に上限が決められており、無担保の場合は8,000万円、担保ありの場合は2億8,000万円です。

一方プロパー融資では融資限度額が決められていないので、銀行の判断次第では巨額の融資を受けることも可能です。

事業拡大や新規事業立ち上げのために融資を受けたい場合は、信用保証協会の保証付き融資の上限額では足りない場合も考えられます。

そのような場合でも全額融資を受けられる可能性のあるプロパー融資は、非常に魅力的だと言えるでしょう。

関連記事:自社はどのくらい借りられる? 中小企業の借入限度額

 

保証料を支払う必要がない

プロパー融資は、信用保証協会を介さずに銀行と企業との間で直接行われる融資なので、信用保証協会に対する保証料を支払う必要がありません。

保証料自体は融資金額からすれば微々たるものかもしれませんが、融資を受ける金額に対して割合で算出されます。

そのため、まとまった金額を調達しようと思うと、意外とバカにならない金額になるものです。

保証料を支払う必要がなければ、その分多少なりとも資金繰りの安定にもつながるでしょう。

迅速な融資が可能

信用保証協会の保証付き融資の場合は、銀行と信用保証協会両方の審査に通過しなければなりません。

そのため申し込んでから実際に融資を受けられるまでに、1ヵ月ほどの時間を要することも多々あります。

プロパー融資では銀行の審査のみで融資を決定できるので、信用保証協会の保証付き融資よりも迅速な融資が可能です。

早急に資金繰りを改善したい企業にとっては、スピーディーに融資を受けられるというのは非常に大きなメリットと言えるでしょう。

プロパー融資のデメリット

反対にプロパー融資のデメリットとしては、主に以下のようなことが挙げられます。

 

審査が厳しい

プロパー融資は信用保証協会を介さない融資のため、銀行が直接リスクを背負わなければなりません。

そのため信用保証協会の保証付き融資と比べると、審査条件が厳しめに設定されています。

プロパー融資を希望して銀行に申し込みをしたとしても、審査結果次第では、信用保証協会の保証付き融資になってしまう可能性もあります。

銀行からの評価が高く関係性もよい企業でないと利用できない融資であるということは、念頭に置いておくべきでしょう。

返済期間が短めに設定されがち

融資においてリスクを少なくするためには、貸し付けた資金を早めに回収することが重要です。

そのためプロパー融資では、信用保証協会の保証付き融資よりも返済期間が短めに設定される傾向にあります。

まとまった資金を借り入れられるものの、返済期間が短めになるということは、毎月の返済金額がかなり多めになってしまうということを意味します。

銀行に対する返済負担が資金繰りを悪化させる要因になることもありえるので、その点には十分気を付けたうえで利用を検討しなければなりません。

銀行からの追及が厳しくなりがち

銀行はプロパー融資を行った融資先がきちんと返済を行えそうかどうか、しっかりとチェックしています。

そのため、もともと提出されている事業計画書や資金繰り表の予定と、実際の状況に乖離が生じてくると、銀行から経営状況に関する追及が行われる可能性もあります。

場合によっては経営改善計画書の提出や、担保を追加で差し出すことを求められることもあるでしょう。

有利な条件で融資を受けているため仕方のないことではあるものの、追及が厳しくなり事務作業が増えてしまう可能性があることは、デメリットと考えられます。

プロパー融資の金利

プロパー融資のメリットとして金利が低いことを挙げましたが、信用保証協会の保証付き融資と比べて、具体的にどの程度異なるのでしょうか。

 

金融機関にもよりますが、信用保証協会の保証付き融資の金利相場はおおむね1%台~3%台程度です。

 

これに対してプロパー融資の金利相場はおおむね1%弱~3%程度で、信用保証協会の保証付き融資よりも、上限金利・下限金利ともに0.5%程度低いぐらいのイメージです。

 

仮に1億円の融資を受けたとすると、金利が0.5%違うと支払わなければならない利息は50万円も異なります。

融資金額が大きくなればなるほど、金利差の影響は大きくなります。

関連記事:銀行融資における金利の相場と下げ方

 

プロパー融資で資金調達する方法

上述したように、プロパー融資を希望する場合でもプロパー融資になるか保証付き融資になるかは、銀行側の判断に委ねられます

 

申し込みは可能ですが、銀行がそれぞれに定める要件に合致しなければ審査に通ることは望めません。

 

そのため、プロパー融資を利用できるようになるには、その前に保証付き融資で返済実績を重ねて銀行からの信用を得ておくという方法が考えられます。

 

賞与資金や納税資金など使途が明確な短期の融資を保証付き融資で申し込めば、銀行も応じてくれる可能性が高いはずです。

 

それらを返済することで信用度が上がれば、銀行側からプロパー融資の利用を勧めてくるケースもあるでしょう。

 

また、プロパー融資を利用できるようになった段階でも、最初は1年以内の短期融資から始めて、徐々に実績を重ねるうちに条件が良くなっていくというステップを踏んでいく方法が一般的です。

 

プロパー融資は大企業や中堅企業の利用率が高い融資ですが、必ずしも中小企業が利用できないわけではありません。

 

むしろ、中小企業が業績を伸ばし、成長する段階でプロパー融資を受けられれば、そのことが中小企業の信用力アップの証となります。

 

もう一つ、担保を用意すればプロパー融資で資金調達できる確率は上がります

 

しかし、担保があれば必ず融資が受けられるというわけでもありません。

 

担保・保証などの保全面が確保されていれば銀行は評価しますが、それよりも最も重視されるのは次に述べる審査要件をクリアしているかどうかです。

プロパー融資の審査のポイント

プロパー融資の審査のポイントは、定量的評価と定性的評価の2つに分けられます。

 

定量的評価は数字などのデータを分析して得られる評価、定性的評価は経営者の人格や経営姿勢などの数値化できない部分の評価を指します。

 

まず定量面では、自己資本比率が高い(30%以上が目安)こと、業歴が最低3年(一般的には5年)以上あることが要件となるケースが多いでしょう。

 

そして過去数期に渡る決算書が分析されます。

売上総利益・営業利益が黒字で、経常利益もプラスなどの条件がそろっていれば評価ポイントが付けられます。

 

審査の際は決算書などの書類提出とあわせて、銀行担当者との面談もあります。

ここで、経営者の基本的人柄、力量、熱意と自信、信頼性、将来ビジョンなどの定性面の評価を受けることになります。

 

また面談だけではなく、経営者の経歴や個人資産などの側面調査も行われます。

 

そしてこれらを総合して、銀行は融資先企業に対する格付け(信用格付け)を行います。

 

格付けは、銀行は融資する企業を10~12段階でランク分けするものです。

 

たとえば、格付1~6は正常先、7~8は要注意先、9は要注意先(要管理先)、10は破綻懸念先、11は実質破綻先、2は破綻先などと分類されます。

 

正常先~破綻先というのは債務者区分と呼ばれます。

基本的に、格付けが「正常先」でなければプロパー融資は受けられません。

 

また、評価が高いほど金利は低くなります。

 

プロパー融資を受けるために、かつよりよい条件で融資を受けるためには、銀行からの格付けをなるべくよい状態に保つことが重要です。

 

企業経営を行ううえでは当たり前のことではありますが、なるべく多くの利益を出して事業を安定させることを心がけましょう。

関連記事:銀行融資の信用格付けとは? 引き上げる方法を併せて紹介

 

プロパー融資の注意点

以上見てきたように、プロパー融資の金利・限度額・返済期間は好条件になるケースも厳しい条件になるケースもあり、一概に特徴を一括りにして語ることはできません。

 

銀行による評価が高ければ条件も良くなりますが、とくに中小企業の場合は最初から高評価が得られるケースは少なく、信用力は返済実績を積み上げながら徐々に付けていくものと考えてください。

 

また、プロパー融資だけが唯一の資金調達方法というわけでもありません

 

審査が厳しく融資を受けるまでに時間がかかるなどのデメリットもあるので、あえて別の融資方法を利用するという方法も常に選択肢に入れておくべきでしょう。

 

ときには、プロパー融資の審査を待つ間のつなぎ資金が必要になるようなケースもあるはずです。

 

その際は会社が保有する売掛金をファクタリング会社に売却して現金化する、ファクタリングなどの資金調達方法が役に立つでしょう。

 

多額の融資を受けたい、保証料を削減したいなどの場合にはプロパー融資が好適ですが、審査が厳しく融資実行には時間がかかります。

 

資金調達を急ぐ場合は、ファクタリングやビジネスローンなどの資金調達方法も検討してみましょう。

関連記事:ファクタリングとは?基本的な情報をまとめて解説

 

関連記事:ファクタリングを利用するメリット・デメリットを徹底解説

 

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