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法人の節税で実行したい4つの対策

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企業経営者にとって、節税対策は経営状況をより良いものにするために欠かせないものです。ここでは法人、とくに中小企業が節税するために実行したい4つの対策をご紹介します。また、節税対策について知っておくべき基本的なポイントについても解説していきます。

法人の節税で実行したい4つの対策

法人が節税対策に取り組むべき理由

法人の節税対策はなぜ必要なのでしょうか。これは簡単な話で、税金を節税する方法を知らなければ損をしてしまうからです。節税の知識があれば会社に残るキャッシュを増やせます。節税対策の目的は、税金の支払いを減らすことで手許に残るお金を増やすことにあります。その残ったお金を資金として活用すれば経営の安定化にもつながるでしょう。

しかも、節税に関する知識は税務署では教えてくれません。優秀な税理士に任せてしまえば的確な節税対策をしてくれると考える人もいますが、そのためにはすべての資料を税理士に預け、節税に効果的な記帳代行をしてもらう必要があり、顧問料などが発生することになります。

会社の経営者に知識があれば、みずから必要な節税対策を取捨選択し、コントロールすることができます。税理士の活用の仕方も変わってきます。中小企業の経営者ほど、節税対策について正しい知識を持ち、理解しておくことが重要です。

法人の節税における基本的な考え方

法人の節税対策、節税方法には、少なくとも次の3つのケースがあります。

税金を減少させる節税対策

まず、節税対策の中でも王道といえるのは、税額を減少させる節税法です。その年の税金を減らすことができて、将来の負担も増えず、さらに経営者や家族の個人の所得税などにも影響がない方法であれば最も理想的です。節税においては、まずはこの方法をしっかりと押さえておくべきです。

課税の繰り延べをする節税対策

一方、一時的にその年の税金を減らすことはできても、あとになって結局は減らした分の税金を支払わなくてはならなくなるケースもあります。納税を先送りにするので「課税の繰り延べ」などと呼ばれます。しかし、この方法もまったく意味がないとはいえません。

課税を繰り延べると、少なくとも現在は手元にキャッシュが多く残ります。また、今年支払う100万円と数年先に支払う100万円が同じ価値であるとも限りません。その100万円で有効な資金繰りができれば、数年先の余裕ができたときに100万円を支払った方が結果的に良かったというケースもあるでしょう。

経費を増やす節税対策

もう一つ、税金を払わないようにするために経費を増やすという節税対策も考えられます。ところが、この方法にはいくつか問題点があります。まず経費を使うために無駄遣いをしてしまう危険性があります。

100万円の利益が出るところを100万円の経費を使えば税金はゼロになりますが、利益もゼロになります。しっかりと利益を出しておけば、税金を払うことになっても利益が出ます。利益があればそれを事業資金に回せます。そして何より、利益を出し、税金を支払っている会社には銀行などからの融資を受けられます。経費を使う節税対策を実行する際は、そのことによって経営悪化を招くことにならないかを慎重に考える必要があります。

法人の節税における注意点

適切な節税対策は、個人事業主か中小企業か、大企業かなどの会社の規模や、青色申告を行っているか、起業したばかりか、経営状態が安定してきた時期なのかなどの状況によっても異なってきます。

例えば、中小企業がまず手をつけるべき節税対策としてよく挙げられるのが、役員報酬の適切な金額設定です。役員報酬は毎月同じ金額を支給する(定期同額給与)にすることによって損金に算入できます。基本的に、役員報酬を多く支払うほど税金を減らす効果があります。

ただし、役員報酬には一般の給与と同様に所得税や住民税の課税対象であり、ある一定の額を超えると所得税が高額になりすぎるため、節税効果が得られません。つまり、役員報酬は最も適正な額を計算して設定する必要があります。

また、出張旅費規程を作成し、役員や従業員の出張に際して日当を支払うことで損金に算入する方法もよく知られています。出張旅費規定を整備した上で日当を支給すると、通常の給与と異なる非課税所得としての扱いとなり、法人税がかかりません。出張が多い会社ほど大きな節税効果を得られます。

こうした節税対策は個人事業主では活用できません。個人事業主が一定の年収を超えるようになったら法人化した方が節税面で得をするといわれる理由の一つです。

また、中小企業(資本金1億円以下などの条件あり)は、大企業に比べて法人税などの税率が優遇されています。設備投資に対する特別償却・税額控除、少額減価償却資産の取得価額の損金算入など複数の税優遇措置もあります。自社の規模に合わせて、これらを正しく把握しておく必要があります。

法人の節税で実行したい4つの対策

ここからは上記以外に、法人の節税で実行しておきたい基本的な節税対策について説明していきます。

未払費用を今期の損金として計上する

未払費用は勘定科目の一つで、営業活動以外で、一定の契約にしたがって継続したサービスの提供を受ける場合に、すでに提供されたサービスに対して、いまだ対価を支払っていないもののことをいいます。具体的には、給与、賞与、社会保険料、光熱費、リース料、家賃などが未払費用に該当します。

この未払費用は、支払日がまだ来ていなくても、今期にまたがっていればその分を損金計上できます。例えば、3月決算で毎月の給与の締め日が15日、支給日が25日だった場合、3月16日~3月31日の15日間の給与を日割り計算して、その分を当期に計上できます。従業員数が多ければ、これだけでもかなりの額になります。また、決算の前後に支払う決算賞与も一定の要件を満たすことで未払費用として計上できます。

前払費用を今期の損金として計上する

前払費用も勘定科目の一つです。一定の契約に基づいて継続したサービスの提供を受けるために支出した費用のうち、事業年度終了時においてまだ提供を受けていないサービスに対するもののことをいいます。通常、駐車場代や家賃、保険料などは今月末に来月分を支払います。このような来月分の支払い部分が前払費用です。支払った日から1年以内にサービスの提供を受けるものについては、短期前払費用として計上できます。

例えば、事務所賃貸借契約を年払いにして、翌年分の事務所家賃を全額支払ったとします。すると今期の決算では、今年分の事務所家賃に加えて来年の事務所家賃も損金として計上できます。つまり、未払費用の場合と同じく、年度末の駆け込み的な節税方法として利用できるわけです。

ただし短期前払費用として計上するには複数の要件を満たす必要があるので、その内容をしっかりと確認しておく必要があります。また、節税効果があるのは年払いを始めた最初の期だけです。以降は通常通り1年分のみの家賃を計上することになり、しかも年払いが続きます。年払いを解消すると短期前払費用としては計上できなくなり、節税効果は増税という形で相殺されます。これが課税の繰り延べの特徴です。

保険に加入する

経営セーフティ共済や法人保険に加入することも節税につながります。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、取引先の倒産で不良債権の発生した中小企業などが連鎖倒産することを防ぐために貸付を受けられる共済制度です。

この経営セーフティ共済は、掛け金の全額が損金として認められます。また、40ヶ月加入すると返戻率が100%になり、以降はいつ解約しても支払ったお金が全額が戻ってきます。基本的に万が一のときのために加入する保険ですが、掛け金を損金として計上することで納税を先送りにできます。逆に、解約して解約手当金が入金されたときは収入となり、税金がかかることになります。

また、法人保険の中にも保険料の全額を損金にできるものがあります。法人保険は法人が契約者となり、経営者・役員・従業員が被保険者として加入する生命保険などの保険です。経営者や役員が死亡または高度障害状態になると、保険金を弔慰金として遺族(親族)に支払うことができます。あるいは将来解約をして、経営者や役員への退職金とできる商品もあります。

役員の人選や役員報酬・賞与を見直す

役員報酬を節税に役立てる方法があることは前述しました。中小企業では妻や子供などの家族を役員に就任させて役員報酬を支払っている人も多くいます。

これは世帯の所得の合計が同じでも、世帯内の複数人で所得を分散させて1人あたりの所得を低く抑えると所得税・住民税の税率が低く抑えられるためです。毎月の役員報酬が200万円で年収2,400万円の人の所得税・住民税合計額は約700万円です。一方、事業を手伝っている家族を入れて合計4人で役員報酬200万を分け合う(自分70万円、妻50万円、子供A40万円、子供B40万円)とすると、4人合計の所得税・住民税合計額は約300万円となります。これだけで400万円の差が付くことになります。

ただし、単に家族の名前を役員名簿に載せるだけでは節税対策とはなりません。実際に家族が会社業務に携わっている必要があります。役員報酬が不当に高額な場合も税務調査で否認されてしまいます。

賞与を含めて、家族役員の報酬額を決める際は業務への関与の度合いやそれぞれの所得控除、社会保険料などの条件を含めて検討しなければなりません。節税に効果的で、なおかつ税務調査があっても問題のない人選と金額を設定することが必須です。

節税対策に困ったときの対処法

家族役員の人選や報酬などを含めて、自社に合った節税対策ができているのか不安な場合は税金のプロである税理士に相談すると良いでしょう。その際は事前に一通りの節税対策に関する知識を仕入れ、また最新情報にも目を通しておくと、より的確な提案が受けられるはずです。すべてを税理士に任せてしまうのではなく、細かな要望を伝えるようにした方が、自社にマッチした効果の高い節税対策を得られるでしょう。

知っているか知っていないかで大きく変わる節税に取り組むことで、会社に資金を残すことができます。会社の将来の利益増大につながるような節税を心がけましょう。

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