工務店の資金繰りが悪化する原因
工務店の代金がすべて支払われるのは工事が終わってからになるので、それまでの設備投資や外注費、仕入れなどの費用は工務店で立て替えておく必要があります。
つまり、代金が支払われるタイミングより費用が必要なタイミングが先に来るため、資金繰りが悪化しやすいのです。
工務店に支払われる代金は、二分割や三分割で支払われることが多いですが、全額の支払い終わるのは完成後になります。
特に一回目の支払いは着手金として100万~200万円程度が一般的で、実際に金額が大きくなるのは二回目以降の支払いになります。
それまでに工務店は、家を建てるための材料費や仕入れ、各職人へ払う外注費や人権費、建築に必要な什器や機械などの設備投資などを支払うことになります。
支払いの回数を増やせれば良いのですが、それも難しいのが現状です。
家を購入するときは住宅ローンを利用する顧客が多く、完成後でなければ住宅ローンのお金は支払われません。
そのため、完成前の支払いを増やすことは顧客離れにつながる恐れがあります。大手ハウスメーカーなどは資金力があるため、完成後の一括払いで工事を請け負っているケースもあるようです。
しかし、工務店でも同様の支払い方法で請け負うには、資金力に自信がないと難しく、何件かの支払いが滞れば資金不足に陥るリスクがあります。
工務店に適した資金繰り改善方法
資金繰りを悪化させないためには、1カ月後、2カ月後などの支払いに必要な金額や各案件からどのくらいの粗利が出るかなどを正確に把握することが大切です。
まず、今現在の管理方法で正確に把握できているか確認しましょう。どんぶり勘定で実態との乖離がある場合は、管理方法を改める必要があります。
資金繰りの改善におすすめの方法は、資金繰り表を作成することです。
資金繰り表とは、一定期間の現金の収入と支出を表にしたもので、資金の収支予定を正確に把握するために作成します。
同様に、資金の流れを表すものとしてキャッシュフロー計算書があります。
キャッシュフロー計算書は過去の収入と支出を表したものであるのに対し、資金繰り表は将来の資金繰りの予定を表すものです。
資金繰り表を作成することで、資金ショートの可能性がないかチェックすることができます。
資金繰り表は表計算ソフトで作成すると便利です。あらかじめ計算式を入力しておけますし、前月との比較もしやすくなります。
まず、前月の預貯金の繰越分を入力します。次に、営業収支の収入と支出を勘定科目ごとに入力していきます。営業収支がマイナスの場合はその原因の分析が必要です。
資金ショートが懸念されるのであれば、売掛金の現金化を急ぐ、買掛金の支払い期限を延ばすなどの対策をします。
さらに、財務収支も同様に入力しましょう。財務収支では借入金の収支を確認します。
営業収支の利益で返済できないほど借入金額が大きくなり過ぎていないか注意が必要です。
関連記事:資金繰り表の作り方と活用方法
工務店におすすめの資金調達方法とは
ファクタリングによる資金調達は工務店に適しておりおすすめです。
ファクタリングとは、ファクタリング会社が売掛金を買い取り現金化する仕組みです。支払い期日を待たずに現金化できるので、資金繰りの改善に効果があります。
ファクタリング会社にもよりますが、早ければ即日、遅くとも数日で現金化できるのが魅力です。
自社とファクタリング会社の2社間で行うファクタリングと、さらに売掛先会社を加えた3社間で行うファクタリングがあり、手数料を安く抑えたい場合には3社間のファクタリングが適しています。
2社間ファクタリングは手数料が売掛債権の10~30%かかりますが、3社間では1~10%で済みます。
ただし、2社間ファクタリングには、売掛先会社に知られずに現金化できるというメリットがあります。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのどちらが良いか迷う場合は、ファクタリング会社に相談してみましょう。
関連記事:安心の大手ファクタリング会社18選【種類別】
まとめ
銀行融資を受ける場合は案件管理表と資金繰り表を見せて厳格に管理していることを示すことが重要です。
いくら融資が必要かということが根拠とともに正確に示せないと、融資を断られる可能性が高くなります。
銀行融資は書類の準備や審査に時間がかかり、資金調達までに1カ月程度かかるのが一般的です。
時間はかかりますが、金利は年間数%と安価に設定されており費用が抑えられるのが利点といえるでしょう。
関連記事:ファクタリングは建設業に最適!おすすめの業者7選
すでに資金繰りが悪化して危険な状態にあり、一刻も早く資金調達をしたい場合はファクタリング、そこまで緊急ではなく資金調達にかかる費用を抑えたい場合は銀行融資が良いでしょう。
工務店などの建設業やリフォーム業は、先に費用がかかるビジネスモデルです。
その場合、黒字倒産にならないよう資金繰りには留意する必要があります。
資金繰り表などで将来の収支を正確に把握し、必要なときはファクタリングや銀行融資などを活用しましょう。
この記事の執筆者:資金調達ニュース編集部
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