そもそも資金繰りの悪化とは
「資金繰り」の悪化とは、売上が伸び悩むことだけを指すのではありません。
「黒字倒産」という言葉もあるように、売上が伸びていても手元の資金が不足して倒産してしまうことさえあります。
つまり、資金繰りの悪化とは「キャッシュフロー」に問題が生じることを指すのです。
特に、対企業の取引がメインの事業(B to B)の場合、「売掛金」を回収する必要があります。
帳簿上では利益が出ている場合でも、売掛金を回収しなければ手元に現金はありません。
売掛金の未回収や回収の遅れが重なれば、最終的には運転資金が枯渇して支払いなどが滞ってしまいます。
手元に運転に必要なキャッシュが足りなくなる状態を「資金ショート」と呼び、企業の存続にかかわる極めて危険な段階です。
資金繰りが悪化していると気づいた場合は、すぐに原因を特定して対策を行う必要があります。
金融機関への支払や手形の決済などが遅れてしまうと、倒産の危険が高くなるため、資金繰りには十分な注意が必要です。
資金繰りが悪化する5つの原因とは
資金繰りが悪化するのにはさまざまな理由がありますが、大きく5つに分けて考えることができます。
資金繰り悪化の原因1:売り上げの減少
商品やサービスの売上が不振であれば、当然収入も減っていきます。
また、一見好調なようでも利益率が低くなっている場合は注意が必要です。
値引き合戦などに参加してしまうと、思うような利益が出なくなってしまいます。
資金繰り悪化の原因2:売り上げの急激な増加
売上が大きく増加する際に、多額の先行投資が必要な場合は資金繰りが悪化しやすくなります。
特に、事業拡大などを行ったときには注意が必要です。
設備投資や仕入れコスト、人件費などの資金調達に無理が生じているケースが少なくありません。
資金繰り悪化の原因3:売掛金を回収できない
売上が順調に伸びていたとしても売掛金を回収しきれず、キャッシュが手元に不足しているというのは黒字倒産を起こしやすい状況です。
売上だけを見ると業績が好調に見えるため、資金繰りの悪化に気づくのが遅れるケースが多く、注意が必要です。
資金繰り悪化の原因4:不良在庫を抱えすぎている
在庫を抱えている段階は、支出のみで収入がないということです。
そのため、不良在庫が多いとキャッシュフローが極端に悪化してしまいます。
仕入れコストや人件費が回収できず、資金繰りに重くのしかかっている状態です。
資金繰り悪化の原因5:返済額の増大
金融機関などからの借入金が返済可能額を超えてしまうと資金繰りは厳しくなります。
具体的には年間の返済額が「減価償却費+税引き後純利益」を超過するとキャッシュフローに影響し、資金繰りが悪化していきます。
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資金繰りが悪化したときに有効な対策
資金繰りの悪化を察知した場合は、少しでも早く対策を打つことが大切です。
主に次のような対策が考えられます。
赤字事業の縮小・撤退
事業が複数にまたがる場合は、赤字事業を縮小して企業全体のキャッシュフローを健全化することが優先されます。
場合によって撤退を検討することも必要です。
回収サイトを短く・支払いサイトを長くする
収入は可能な限り早く、支出は遅くすることが手元資金を確保するための基本法則です。
取引先と信頼関係を構築した上で交渉を重ねることが大切になります。
在庫管理を徹底し余剰在庫を減らす
在庫はキャッシュフローを悪化させるだけであるため、事業に支障がない部分は一切なくすことが大切です。
また、企業の体力がない場合は、在庫が不要なビジネスモデルを構築することも必要です。
借り換えによる借入金利の引き下げ・リスケジュール
事業の実績を積み重ねていけば、金利などが下がる可能性があります。
また、他の金融機関で借り換えることで条件が有利になる場合も考えられます。
あまりに資金繰りが厳しいという場合は、支払い期日のリスケジュールを依頼するという方法もありますが、企業の信用を損なうリスクもあることに注意が必要です。
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資金調達
不動産などの固定資産を売却すれば、当面のキャッシュを確保することが可能です。
資産がない場合は、銀行やビジネスローン、ベンチャーキャピタルなどで新たな融資を受けるというのも一つの方法です。
融資以外では、「ファクタリング」という方法もあります。
これは売掛債権を譲渡してしまい、現金化を早めるという方法です。
ファクタリングは融資よりもスピードが早いという特徴があります。
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資金繰りの悪化を防ぐには、仕組み作りが重要
このように、資金繰りの悪化を防止するためには、未然に防ぐ仕組み作りが大切になります。
また、資金繰りの悪化の兆候が現れた場合は、原因を究明し迅速な対応を行うことが大切です。
資金がショートすれば、倒産の危険もあるからです。
新たな融資が難しい場合は、ファクタリングを利用して資金調達を行うことが安全です。
ファクタリングの公式サイトでは、調達可能額の無料診断も簡単に行うことができます。
まずは気軽に試してみることをお勧めします。
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