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起業に必要な運転資金(事業資金)の目安とおすすめ調達方法は?

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起業に必要な運転資金(事業資金)の目安とおすすめ調達方法は?

会社を起業して運営していく場合は、ある程度の事業資金が必要になります。 事業資金とは起業時に必要になる資金全般のことを指し、その事業資金の中でも特に重要で長い付き合いになるのが運転資金です。 運転資金というのは社員に払う人件費や、オフィスを構えるにあたって必要な家賃、仕事で使う備品の購入費などの会社を運営していくうえで必要になる資金のことです。 また混同しがちですが、運転資金と設備資金は異なる種類のものです。

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ここでは下記3つについて徹底解説をしていきます。
・起業時の設備資金と運転資金の考え方
・起業時の運転資金調達のポイント
・新創業融資制度の概要

 

ぜひ、最後までご覧ください。

 

起業時の事業資金として重要な運転資金とは

混同しがちですが、運転資金と設備資金は異なる種類のものです。

 

設備資金は初期の設備投資や、のちのち会社の設備を増設するためにかかってくる資金のことです。

 

起業時には初期の設備投資は必要ですが、増設などに関してはしなくても今まで通りの仕事が可能といえます。

 

しかしながら運転資金の場合は、枯渇すると今まで通りの仕事すらままならなくなってしまいます。

 

そのため、事業運営に絶対に必要なのが運転資金、あったほうがいいものの必ずしも必要でないのが設備資金というような違いがあります。

起業時の運転資金の目安は3ヵ月分

起業時に必要になる事業資金には、開業場所の物件費や、広告費、内装工事費など、起業前に目算がつきやすいものが多くあります。

しかし、運転資金はその限りではありません。

 

起業するうえで必要な運転資金は一般的に、「棚卸資産+売上債権-仕入債務=運転資金」という計算方法で求めることができます。

 

棚卸資産は簡単にいうと在庫のことで、売上債権はサービスやものは提供したものの、まだ対価としての代金を受け取っていない状態のものを指します。

 

仕入債務は売上債権とは逆で、サービスやものを別の企業などから受け取っているが、それに対する代金をまだ支払っていないものを指した言葉です。

 

しかし、売上債権に関しては起業前には把握するすべがありませんので予想が立てにくく、そのため運転資金については開業するまで目算が立ちにくいのです。

 

それゆえに、運転資金はできるだけ多く確保していたほうがよいでしょう。

 

開業直後はまだ事業も軌道にのっておらず、利益は期待できません。

 

したがって、ある程度は赤字でも運営を続けられる程度の運転資金を用意しておく必要があります。

 

具体的には、前述した計算式における売上債権の3カ月分程度の金額を目安とするとよいでしょう。

 

また、開業直後は赤字が前提とはいえ、どれくらいの売上でどのくらいの利益が出るのかなど、運営に関する具体的な情報も把握しておきましょう。

 

このあたりの情報収集を疎かにしていると、商品やサービスはよく売れているのに思ったより利益が出ない、立地の割には集客率が悪いなどの開業後に見えてくるはずの問題点に対応するのが遅れてしまいます。

 

起業から会社を軌道に乗せるのが遅れてしまうと、それだけで経営者にとっては致命傷になりかねません。

起業時の運転資金調達のポイント

起業するにあたって、資金調達のための知識は必要不可欠です。

 

どのような制度を利用すべきか、どのような心構えでいるべきかなどをきちんと押さえておかないと、スタート時点で躓いてしまうことになるでしょう。

 

以下では、運転資金を調達する際のポイントについて説明します。

 

公的機関による起業家向けの融資を利用する

自己資金のみでの開業が難しい場合は、別途資金調達が必要です。

起業時は当然ながら会社としての実績がないため、大手の銀行などの金融機関で融資を取り付けるのは難しいでしょう。

しかしながら実はそのような起業家に対して、公的機関が融資をしてくれる「新創業融資制度」「女性、若者/シニア起業家支援資金」などの公的融資制度があります。

とくに「新創業融資制度」は、起業を目指している人が真っ先に利用を検討すべき融資制度です(詳しくは後述します)。

公的融資制度は民間の金融業者や銀行などと違い、国や地方公共団体などが融資をしてくれるので、融資の審査が民間の企業よりも通りやすい傾向があります。

そのため、起業前後の運転資金を調達する際には利用しやすい制度です。

関連記事:【落ちるのはこんな人】新創業融資制度の起業時審査における注意点

 

余裕があるうちに融資を申し込む

起業後に運転資金不足に陥り、どうしてもすぐに借りなければならないという状況になってしまうことは、十分考えられます。

ただ、そのような状況で融資を申し込むのと、起業前にあらかじめ運転資金を多めに借りておくのでは、借りやすさに大きな違いがあります。

お金を貸す側からすれば、資金繰りに困っている会社に融資するのはリスクが高いと考えるのが普通だからです。

したがって起業する際には、負債は増えますが、多めに運転資金を借りておいたほうがよいでしょう。

ただし借りすぎると返済負担が重くなってしまうので、事前に返済シミュレーションを行ったうえで、借りる金額を決めるのが賢明です。

返済開始は遅く返済期間は長く設定する

融資を受ける際、ある程度の返済プランを自分で決められる状況であれば、返済開始時期は遅く、返済期間はできるだけ長く設定しましょう。

起業時や起業後には、予期していないさまざまなトラブルに見舞われる可能性があります。

そして、そのトラブルによって想定外の出費がかさむと運転資金に余裕がなくなり、返済が厳しくなっていきます。

そのような資金繰りの悪化を避けるために、あらかじめ返済する期間を長く設定して、一度の返済にかかる負担を少なくしておくのです。

これにより、トラブルに強い会社経営が可能となります。

調達できるまでの期間を確認する

資金が調達できるまでの日程や期間は、方法によって異なります。

そのため、「いつごろ資金が入金されるか」ということは、事前に金融機関や自治体などに確認しておいたほうがよいでしょう。

確認したタイミングまでに自己資金が尽きることのないように予定を組んで調整することで、安心して事業経営を行うことができます。

なお、金融機関や自治体と面談をする際に融資希望日を伝えておくことで、その日に間に合うように考慮してくれる場合もあります。

頼れるパートナーを見つける

金融機関の担当者の中には、起業後の資金計画などについて親身になってアドバイスしてくれる人もいます。

どこの金融機関から融資を受けようか悩んでいる場合は、担当者の姿勢を判断基準にするのもひとつの方法と言えるでしょう。

また、融資の申し込みや起業自体の手続きを一人で行うのは、なかなか骨が折れるものです。

そういった際にきめ細やかに支援をしてくれる税理士や司法書士の方を見つけておくことで、今後も大きな力となるでしょう。

新創業融資制度の概要

上述の新創業融資制度の概要を、以下で表にまとめました。

 

利用できる人

新たに事業を始める方

または事業開始後税務申告を2期終えていない方

自己資金の要件

創業資金総額の10分の1以上

資金使途

新たに事業を始めるため

または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金

融資限度額

3,000万円(うち運転資金1,500万円)

返済期間

各融資制度に定める返済期間以内

(運転資金は5年~7年以内、設備資金は5年~10年以内など)

利率(年利)

基準利率2.41%~2.90%(令和3年6月1日現在)

担保・保証人

原則不要

 

新創業融資制度を取り扱っている日本政策金融公庫は、国の100%出資で設立された政府系の金融機関で、中小企業や個人事業主を主な対象とした融資を行っています。

 

日本政策金融公庫ではさまざまな融資商品を取り扱っていますが、その中でも新創業融資制度は非常に有利な条件で融資を受けることができます。

 

民間の金融機関で融資を受ける場合には担保や保証人が必要となるので、融資の申し込みにあたってその点がネックになるケースは多々あります。

 

しかし新創業融資制度では担保や保証人が原則不要なので、起業を控えた多くの方が利用を検討できるでしょう。

 

また、返済期間も長めに設定されているので、返済のことをあまり意識しすぎずに、じっくりと腰を据えて事業に取り組むことができます。

 

起業時の資金調達方法として、ぜひ覚えておきましょう。

参考:開業資金はどのように調達すればよい?資金調達方法と会社設立の方法のお役立ち情報【カケハシ】

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