通帳なしでファクタリングは利用できる?
通帳が手元にない状態でファクタリングを利用するのは、非常に難しいといえます。
基本的にどのファクタリング会社を利用しても、審査の際に通帳のコピーを求められます。
提出できなければ、それを理由に利用を断られてしまうケースが多いでしょう。
ファクタリングの審査に通帳が必要な理由
そもそもファクタリングの審査には、どうして通帳が必要なのでしょうか。
ここからは、多くのサービスで通帳のコピーが求められる理由を改めて解説します。
理由①売掛先の支払い能力を見極めるため
通帳に記載されている内容は、売掛先の支払い能力を見極める材料となります。
事業者と売掛先とのあいだに継続した取引があれば、毎月きちんと支払いが行われている事実が、通帳から読み取れます。
もしも、売掛先からの入金が遅れている状況が確認できる場合は、支払い能力が低いと判断されかねません。
理由②利用者に不審な点がないかを確認するため
ファクタリング会社は、通帳の取引履歴から、利用者そのものに不審な点がないかも確認する必要があります。
ファクタリングの利用者のなかには、売却済みの売掛債権の二重譲渡を企てたり、売掛先と共謀して計画倒産前に債権の売却を試みたりする、悪意ある利用者が存在します。
過去の取引履歴を確認し、疑わしい内容が見られなければ、買い取っても問題ない債権だと判断されるでしょう。
ファクタリング会社は未回収リスクを回避するために、買い取る売掛債権が信用に足るものであるかを慎重に判断する必要があるのです。
関連記事:ブラックリストに載っていてもファクタリングは利用できる?
通帳なしでファクタリングを利用するデメリット
通帳のコピーの提出が必須ではないサービスがあったとしても、通帳が手元にない状態で利用すれば、次のような不利益を被る可能性があります。
デメリット①審査の通過が困難になる
通帳は、売掛先が信頼に足るかを確認するのに重要なため、提出できなければ審査の通過が難しくなります。
ファクタリング会社は金融機関とは異なり、審査の際に利用者の信用力を重視しません。
しかし、売掛債権を回収するには、売掛先との関係性は把握しておく必要があり、通帳がなければそれが厳しくなるというわけです。
デメリット②審査が長引くおそれがある
通帳のコピーを提出できない状態でファクタリングを申し込む場合、審査が長引くのは覚悟しなければなりません。
通帳なしでは審査に必要な情報が不足するため、通常よりも多くの時間を要します。
本来ファクタリングがもつメリットの一つに、金融機関からの融資と比べてスピーディーな資金調達が叶うという点があります。
通帳を用意できなければ、このメリットを失う可能性が高いことは、留意しておきましょう。
デメリット③提出書類が増える可能性がある
審査の際に通帳を用意できなければ、代わりに多くの書類を求められるケースがあります。
通帳での確認ができないまま、売掛先との過去の取引実績や、売掛債権を証明する請求書や発注書が偽造されたものでないことを証明するには、複数の書類が必要です。
ただし、あくまでもファクタリング会社は提出書類として、通帳のコピーの存在を重視しているため、それなしで理解を得るのは容易ではありません。
ほかの書類さえ用意できれば通帳が不要というわけではないので、ご注意ください。
関連記事:ファクタリングの審査基準とは?押さえたいポイントも紹介
ファクタリングの利用にあたって通帳以外に必要な書類
ファクタリングの審査に通帳が必要な理由は、ご理解いただけたでしょうか。
しかし、ファクタリング会社に確認されることのある書類は、通帳だけではありません。
通帳以外には、次のような 書類が挙げられます。
①身分証明書
ファクタリングサービスを初めて利用する際は、多くの場合、身分証明書が必要です。
運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどが対象となります。
これらの書類には、申し込んだ人物が契約者本人であることを証明する役割があります。
②売掛債権の存在を示す書類
売掛債権の存在を示す書類は、必ず用意しなければなりません。
具体的には請求書や発注書、ほかには契約書や納品書が該当します。
売掛先とのあいだに債権があることを証明する、これらの書類を「成因資料」とよびます。
特に請求書は、売却する売掛債権が支払額や支払期日が決まっている「確定債権」だと判断するのに不可欠です。
③決算書・確定申告書
企業の経営成績や財務状況を表す決算書もまた、求められるケースの多い書類です。
個人事業主の場合は、決算書の代わりに確定申告書を提出します。
決算書や確定申告書は、主に2者間ファクタリングにおいて重視される書類です。
売掛債権をどれくらい保有しているか、回収した売掛債権を使い込むリスクがないかなどを、財務状態から判断します。
法人の場合は、直近2期~3 期分の決算書が必要で、決算月のタイミングによっては試算表の提出も求められます。
関連記事:2者間ファクタリングとは?ファクタリングの種類とともに紹介
④商業登記簿謄本
法人がファクタリングを利用する際は、商業登記簿謄本も必要となるかもしれません。
商業登記簿謄本とは、企業の所在地や資本金などの基本情報が記載されている書類で、申込内容との齟齬がないかを確認する目的で使われます。
取得するには、所轄の法務局の窓口へと赴くほかに、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」を利用してオンライン上で発行する方法もあります。
⑤印鑑証明書
ファクタリングの契約時に実印を押す場合、それが印鑑登録されていることを証明する印鑑登録証明書も用意しなければなりません。
法人の印鑑登録証明書は、印鑑カードを使って役所の窓口で取得できます。
なお、電子証明書またはマイナンバーカードを用いた、オンラインでの取得も可能です。
関連記事:ファクタリングに必要な書類は?必要書類が少ないファクタリング業者7選もご紹介
必要な書類が少ないファクタリング会社3選
仮にファクタリングの審査に通帳のコピーを提出することが避けられないとしても、利用者としては、必要な書類はできるだけ少ないほうがありがたいはずです。
ここからは、今すぐに資金調達したいという方のために、書類をそろえる手間がかからない、便利なファクタリング会社を紹介します。
ビートレーディング:必要書類は2点
必要書類
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・通帳のコピー(表紙付き、直近2か月分)
・売掛債権に関する資料(請求書、契約書など)
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手数料
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2者間:4%~12%
3者間:2%~9%
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審査時間
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最短30分
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入金スピード
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最短2時間
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買取可能額
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制限なし
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契約形態
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2者間・3者間
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対象事業者
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個人事業主・法人
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運営会社
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株式会社ビートレーディング
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「ビートレーディング」は、2024年4月時点での累計取引者数が58,000社以上にものぼる、多くの取引実績をもつファクタリング会社です。
申し込みに必要な書類は、直近2か月の通帳のコピーと、請求書などの売掛債権に関する資料の2点のみです。
ほかのファクタリング会社と比べても必要書類が少なく、審査も最短30分で終わるため、資金繰りに悩む多くの方の需要に応えてくれるでしょう。
東京・仙台・名古屋・大阪・福岡の5か所に拠点を構えており、全国どこからの依頼にも迅速に対応してくれます。
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日本中小企業金融サポート機構|必要書類数は2点
必要書類
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・通帳のコピー(表紙付き、直近3か月分)
・売掛債権に関する資料(請求書、契約書など)
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手数料
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1.5%~
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審査時間
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最短30分
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入金スピード
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最短3時間
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買取可能額
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制限なし
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契約形態
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2者間・3者間
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対象事業者
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個人事業主・法人
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運営会社
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一般社団法人日本中小企業金融サポート機構
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中小企業の資金調達をサポートする、「一般社団法人日本中小企業金融サポート機構」もファクタリングサービスを提供しています。
利用するにあたって、直近3か月の通帳のコピーと、請求書などの売掛債権に関する資料の2点が求められます。
用意しなければならない書類が少ないだけではなく、手数料率は1.5%からと、業界最低水準を誇っているのもうれしいポイントです。
また、サービス内容は多岐に渡り、ファクタリング以外にM&Aや事業マッチング、クラウドファンディングなども行っています。
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みんなのファクタリング|必要書類数は3点
必要書類
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・通帳のコピー
・売掛債権に関する資料(請求書、契約書など)
・本人確認書類
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手数料
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非公開
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審査時間
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最短1時間
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入金スピード
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最短1時間
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買取可能額
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制限なし
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契約形態
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2者間
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対象事業者
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個人事業主・法人
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運営会社
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株式会社チェンジ
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「みんなのファクタリング」は、オンライン上ですべての手続きが完結する、ファクタリングサービスです。
こちらのサービスでも、利用する際に決算書や事業計画書などの書類を提出する煩わしさはありません。
用意が必要なのは、通帳のコピー、請求書などの売掛債権に関する資料、本人確認書類の3点のみです。
また、独自のAI審査によって、申し込みから最短1時間で入金まで進みます。
土日祝日問わず365日いつでも営業しているため、今すぐに資金を手にしたい方におすすめのサービスです。
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通帳なしでファクタリングを利用することは基本的に不可能
本記事では、通帳のない状態でファクタリングの利用は可能か、そして、そもそもなぜ通帳が求められるのかを解説しました。
原則として、通帳なしでファクタリングを利用するのは困難です。
仮に通帳の提出が必須ではないサービスがあったとしても、審査が長引いたり求められる書類の数が増えたりするため、スムーズに現金化することが難しくなります。
ファクタリングの持ち味である、素早い資金調達を実現するには、必要書類の少ないサービスを利用するのがおすすめです。
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この記事の執筆者:資金調達ニュース編集部
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保有資格:宅地建物取引士・日商簿記検定2級・ファイナンシャル・プランナー2級