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ファクタリング会社と債権回収会社の違いを徹底解説

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ファクタリング会社と債権回収会社の違いを徹底解説

ファクタリング会社と債権回収会社は、どちらも債権譲渡を伴う取引を行う会社です。
一見すると、似たようなサービスを提供しているように思われるかもしれませんが、両者には、明確な違いがあります。

本記事では、ファクタリング会社と債権回収会社における相違点を、詳しく解説します。
双方の違いを理解したうえで、自社に適した方法で資金繰りを改善したいとお考えの方は、ぜひ参考になさってください。

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ファクタリング会社とは

ファクタリング会社と債権回収会社を比較する前に、両者の基本情報を確認しておきましょう。
まずは、ファクタリング会社からです。

ファクタリング会社とは商取引で発生した売掛金を買い取り、現金化するサービス「ファクタリング」を提供する会社のことです。

サービスを受ける事業者にとっては、売掛金の本来の支払期日よりも先に代金を受け取ることができ、迅速な資金調達が叶います。
ファクタリング会社によっては、最短即日での現金化も可能です。
ただし、手数料が差し引かれるため、売掛金と同等の金額が事業者に支払われるわけではありません。

 

なお、ファクタリングには、「2者間」と「3者間」の2種類があり、売掛先への通知の有無や、売掛先が取引に直接関与するか否かという点によって、手数料に差が生じます。
なお、手数料の差については後述しますので、そちらをご確認ください。

 

債権回収会社とは

債権回収会社とは、別名「サービサー」ともよばれ、債権回収を専門に行う法人のことを指します。

利用者としては、支払期日が過ぎた売掛金、すなわち不良債権を買い取ってもらえるので、債権回収の業務に労力をかけずに済み、本来の業務に専念できるようになります。
不良債権の額面よりも、極めて低い金額で買い取られるものの、現実的に回収不能な債権を自社から切り離し、処理を任せられるメリットは金額では計り知れません。

 

かつては債権回収の業務を行えるのは、弁護士のみでした。
「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」が1999年に施行されたことで、法務大臣から認可を受けた、債権回収会社も業務を担当できるようになりました
なお、現在施行されているのは、2023年からの改正法です。

 

法務大臣から認可を受けるには、次の要件を満たす必要があります。

【債権回収会社が認可を受けるための要件】

  • 資本金5億円以上の株式会社であること
  • 業務に従事する取締役1名以上に弁護士が含まれていること
  • 暴力団員などの関与がないこと

債権回収会社の多くは、銀行をはじめとする金融機関の関連会社を中心に運営されていますが、一部、不動産系や政府系などの債権回収会社も存在します。

参照元:法務省「債権管理回収業に関する特別措置法の仕組み」

 

ファクタリング会社と債権回収会社の違い

以下の表に、両者の代表的な違いをまとめました。

【ファクタリング会社と債権回収会社の違い】

 

ファクタリング会社

債権回収会社

利用目的

資金調達するため

不良債権を処理するため

利用者

中小企業や個人事業主

銀行やクレジットカード会社などの金融機関

対象となる債権の種類

債権額と支払期日が確定している、回収前の売掛金

支払期日が過ぎた売掛金

手数料

2者間:8%~18%

3者間:2%~9%

97%~98%

(買取率は、債権の額面の2%~3%が目安)

 

ここからは、表中の4つの違いについて解説していきます。

【表中の4つの違い】

利用目的や対象となる債権の種類などの相違点を明確にし、どちらを利用すべきなのか、判断材料としてお役立てください。

 

違い①利用目的

ファクタリング会社と債権回収会社では、主な「利用目的」が異なります。

ファクタリングの利用目的は、売掛金の支払期日よりも前に資金調達することです。
売掛金をすぐに現金化することで、資金繰りの改善が期待できます。
さらに、ファクタリングの利用は、売掛金の支払い状況を管理する業務である「債権管理」の負担を軽減し、未回収の売掛金が発生するのを防ぐのにも役立ちます。

 

一方で、すでに支払期日を過ぎた売掛金である、不良債権を処理することが、債権回収会社の役割かつ利用する目的です。
利用者は自力では回収できなくなった債権を、債権回収会社に売却することで、債権回収の業務にとらわれる必要がなくなります。

 

違い②利用者

利用目的に関連して、「利用者」においても両者に違いが見られます。

ファクタリング会社の主な利用者は、中小企業や個人事業主です。
中小企業や個人事業主の方が早急に資金を調達する必要がある場合、ファクタリングなら、最短即日の現金化が叶うためです。
建設業や製造業、運送業、卸売業など、さまざまな業界で利用されています。

【関連記事】

ファクタリングは建設業に最適!おすすめの業者7選

ファクタリングは運送業に最適!おすすめの会社7選を紹介

 

対して、債権回収会社を利用するのは、銀行や消費者金融、クレジットカード会社などの金融機関です。
金融機関は、金銭の貸付や立て替えをサービスとして提供しており、返済されない債権が発生する場合があるからです。
金融機関以外の一般企業も、まれに債権回収会社の利用対象にはなるものの、利用者を金融機関に限定している債権回収会社も存在します。

 

違い③対象となる債権の種類

双方の違いには、「対象となる債権の種類」も挙げられます。

ファクタリング会社で取り扱うのは、債権額と支払期日が確定している売掛金に限られます。
売掛先に対する請求書を発行済みで、入金を待っている状態かつ、支払期日前の売掛金が対象になるので、期日を過ぎても回収できていない売掛金は対象にはなりません

 

それに対し、債権回収会社が買い取るのは、すでに支払期日を過ぎた不良債権です。
買取可能な不良債権の種類は、「債権管理回収業に関する特別措置法」で、次のように限定されています。

 

【債権回収会社が取り扱える不良債権の種類】

  • 銀行などの金融機関・貸金業者の有する(有していた)貸付債権
  • リース・クレジット債権
  • 特定目的会社が流動化対象資産として有する金銭債権
  • 法的倒産手続中の方が有する金銭債権
  • 保証会社・金融機関などが有する求償債権
  • そのほか政令指定で定める特定金銭債権

取り扱い対象になるのは、支払期日を超過し回収困難に陥った債権や、貸付先が返済不能となり回収が難しくなった貸付債権、クレジット債権などであるとわかります。

 

違い④手数料

「手数料」に大きな差がある点でも、両者は異なります。

【ファクタリング会社と債権回収会社の利用に際してかかる手数料】

ファクタリング会社

2者間:8%~18%

3者間:2%~9%

債権回収会社

97%~98%

 

2者間ファクタリングでは、利用者とファクタリング会社の間だけで取引が完結し、売掛先への通知もないため、売掛先が取引に直接関与することはありません。
そのため、売掛先の財務状況によっては支払いが滞る「貸倒リスク」を、ファクタリング会社がすべて背負う点も考慮して、手数料が設定されているのです。

その点、3者間ファクタリングにおいては、利用者とファクタリング会社、そして売掛先の3者間で取引を実施し、架空債権等のリスクを減らせるので、その分手数料は下がります。

 

他方、債権回収会社は、不良債権を額面の2%~3%程度で買い取っていますから、残りの97%~98%が手数料相当分になります。
極めて高額な手数料になるのは、回収が難しくなった不良債権が取り扱い対象であり、債権回収会社が回収できないリスクをコントロールするためです。

手数料とはつまり、リスクの大きさを反映したものであることを、理解しておきましょう。

 

ファクタリング会社の債権回収方法

ファクタリング会社における、売掛金の回収方法は、「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」のどちらなのかによって異なります。

2者間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の間だけで締結する取引です。

【2者間ファクタリングの流れ】

  1. 利用者がファクタリング会社に売掛金の買取を申し込む
  2. ファクタリング会社が審査を行い、買取条件を提示する
  3. 双方の合意後、契約を締結する
  4. 売掛金から手数料を差し引いた金額が、利用者の口座に振り込まれる
  5. 売掛先から利用者に代金が支払われたら、利用者からファクタリング会社に全額送金してもらう

売掛先を介さない分、3者間ファクタリングと比較すると、現金化されるまでの流れはシンプルで、時間もそれほどかかりません。

一方、3者間ファクタリングでは、利用者とファクタリング会社、そして売掛先の3者間で契約が結ばれます。

【3者間ファクタリングの流れ】

  1. 利用者がファクタリング会社に売掛金の買取を申し込む
  2. ファクタリング会社が審査を行い、買取条件を提示する
  3. 双方の合意後、契約を締結する
  4. ファクタリング会社が売掛先に対して、売掛金が譲渡された旨の通知を送る
  5. 売掛金から手数料を差し引いた金額が、利用者の口座に振り込まれる
  6. 支払期日がきたら、売掛先から直接ファクタリング会社に全額送金してもらう

売掛先への通知が必須で、売掛金の譲渡後は売掛先とファクタリング会社の直接取引になる部分が、2者間ファクタリングと異なる点です。

関連記事:ファクタリングの利用は取引先に通知される?

 

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債権回収会社の債権回収方法

債権回収会社は、不良債権を買い取るというかたちで債権回収を代行します。
もとの債権者(貸した側)から債権を譲渡、もしくは債権回収の業務を委託された債権回収会社が、債務者(借りた側)に対する債権回収を、代わりに実施するという流れです。

 

債権を譲渡するケースでは、債権回収会社はもとの債権者から債権を割り引いて買い取り、債務者から回収することで、買取代金との差額を利益として得ることになります。
債権回収を委託するケースの場合は、依頼時に支払う手数料が債権回収会社の利益となる仕組みです。

 

債権回収会社に対し、「悪質な団体ではないのか?」との疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、債権回収会社は前述の通り、「債権管理回収業に関する特別措置法」に則って、法務大臣から認可を受けている法人であり、法律を遵守しながら業務を行っています
法務省へ定期的に業務の実績を報告することも義務化されており、違法な取り立てを行うことはありません

 

ファクタリング会社の債権回収が違法にならないわけ

ファクタリング会社が、一定の条件のもと、特定の債権に対して回収を行うのであれば、違法にはなりません。

債権管理回収業に関する特別措置法」では、法務大臣から認可を受けた会社、すなわち債権回収会社は、不良債権を買い取ることができると規定されています。
ファクタリング会社は、不良債権は取り扱うことができないものの、貸倒リスクを背負うという条件のもとであれば、支払期日前の売掛金に限って買い取ることができます。

したがって、ファクタリング会社が買い取る債権が、支払期日前の売掛金に限られるのであれば、違法にはならないのです。

関連記事:ファクタリングの取り立て方法と悪質業者の見抜き方を紹介

 

ファクタリング会社・債権回収会社を利用する際の注意点

ファクタリング会社と債権回収会社のどちらも便利なサービスを提供していますが、やみくもに利用するのは避けたいものです。
利用時には、以下の点にご注意ください。

【ファクタリング会社・債権回収会社を利用する際の注意点】

ファクタリング会社

債権回収会社

・売掛先との関係が悪化するおそれがある

・キャッシュフローが滞る可能性がある

・分割払いはできない

・債権回収会社を名乗る詐欺に気をつける

・費用面で負担が大きい可能性がある

 

ファクタリングのうち、特に3者間ファクタリングでは、利用者とファクタリング会社、そして売掛先の3者間で契約を交わすため、売掛先に利用の旨を知らせなければなりません。
その際に、売掛先が利用者の資金繰りに関して不信感を抱いてしまい、結果的に売掛先との関係が悪化することが考えられます。

 

また、キャッシュフローとは、企業におけるお金の出入りの流れのことです。
ファクタリング利用時には手数料がかかりますが、手数料が予想より高額であれば、手に入る現金が当初の予定よりも大幅に減り、かえって資金繰りが悪化するかもしれません。

 

支払方法については、ファクタリングは売掛金の売買契約なので、売掛金の代金を一括で支払うのが原則です。
分割払いは認められていないため、契約の段階で分割払いを提案されたら、違法性が疑われます。

関連記事:ファクタリングで分割返済は可能?支払えない場合の対処法も紹介

 

一方、債権回収会社の利用時には、詐欺に注意したいところです。
法務大臣から認可を受けていないにもかかわらず、債権回収会社を名乗る悪徳業者も少なからず存在します。
悪徳業者に依頼してしまうと、きちんと債権回収を行ってもらえずに、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
正規の債権回収会社については、法務省のホームページに記載されているため、事前に確認しておきましょう。

参照:法務省|債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧

 

ファクタリング会社と債権回収会社の違いを理解し、適切なサービスを利用しましょう

本記事では、ファクタリング会社と債権回収会社における相違点を解説しました。

ファクタリング会社と債権回収会社のいずれも、債権譲渡を伴う取引を行う会社ですが、利用目的や利用者、対象となる債権の種類などがまったく異なります。
資金調達を目的に、支払期日前の売掛金を買い取ってもらうのであれば、ファクタリング会社に依頼しましょう。

 

資金調達ニュース.comでは、資金調達に関する情報を掲載しています。
実績のあるファクタリング会社も多数紹介しておりますので、比較検討したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

監修者の写真

弁護士
林 孝匡

情報発信が専門の弁護士。
【難しい法律を分かりやすく】をモットーに労働問題をはじめ多くの分野で法律情報の発信を手がける。
弁護士ドットコム・マイナビ・幻冬舎・DIME・弁護士JPなど多数のWEBメディアでコンテンツを発信中。

【資格】
日本弁護士連合会:登録番号:43736
・大阪弁護士会:https://www.osakaben.or.jp/web/lawyersearch/result.php?registrationNo=043736
HPhttps://hayashi-jurist.jp/

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