ファクタリングは税金を滞納していても利用できる?
結論から申し上げますと、ファクタリングは税金を滞納していても利用可能です。
事業者が資金を調達する方法は多くありますが、税金を滞納していても選択できるものとなると、その種類は限られます。
金融機関の融資などは、税金を滞納している場合には返済能力がないと判断されるため、利用は絶望的でしょう。
しかしファクタリングであれば、審査の際に利用者よりも売掛先の信用度が重視されるため、売掛金さえ条件を満たしていれば問題なく利用できます。
ファクタリングで調達した資金は用途が限定されていないので、滞納している税金の納付や事業資金の工面など、優先度の高い事柄に使用できます。
ファクタリングが利用できないケース
税金を滞納していることが問題となるケースは少ないものの、すべての事業者がファクタリングを利用できるわけではありません。
ファクタリングで結ぶのは債権譲渡契約ですから、売却できる売掛金がなければ利用することは不可能です。
また、たとえ売掛金を有していたとしても、税金を滞納し、納税を促す督促を無視しつづけていると、最悪の場合財産が差し押さえられます。
売掛金などの債権もその対象となり、差し押さえられたあとは、売掛金の支払いを受ける権利が税務署へと移ります。
したがって、もとの持ち主である事業者は、ファクタリング会社に持ち込む売掛金を失ってしまうというわけです。
このため、税金を滞納している方の利用を断っているファクタリング会社も、少なからず存在します。
税金を滞納してしまう原因
ファクタリングを利用する際は、税金を滞納していないに越したことはありません。
今後そのような事態に陥らないために、どのような理由で税金を滞納してしまうのかを改めて知っておきましょう。
業績不振
税金の滞納に陥る原因として、もっとも多いのが業績不振です。
特に法人は多くの税金を支払う義務があるため、財務状況が悪化したときに滞納してしまう可能性が高まります。
法人税や地方法人税、法人事業税などは、事業所得に対して課せられるため、赤字の際の金額は0円です。
しかし、法人が支払う税金はそのようなものばかりではなく、たとえば法人住民税は資本金と従業員数をもとに課税金額が算出される“均等割”が含まれます。
また、消費税も業績にかかわらず、売上がある限りは納付義務があります。
場合によっては手元の資金から補填しなければならないため、財務状況をさらにひっ迫させ、ほかの税金の支払いにも影響しかねません。
資金繰りの悪化
資金繰りの悪化も、税金滞納の原因となります。
事業者が資金繰りを悪化させる理由はさまざまですが、売上の減少によって業績不振となり、収支のバランスが崩れるというパターンが一般的です。
ただし、業績が好調であっても資金繰りが悪化しないとは限りません。
売上が増加したとしても、その分運転資金が膨らみ、一時的に手元の資金が不足すれば、資金繰りの悪化を招きます。
また、売掛先が予定していた支払期日に代金を振り込まず、売掛金の回収に遅れが発生する事態も起こりえます。
このようなときにキャッシュフローを改善できなければ、黒字倒産に至るケースも珍しくありません。
このように、業績が良くとも納税のタイミングで手元に資金がなければ、滞納に陥ってしまっても不思議ではないのです。
税金が支払えない場合の対処法
税金が支払えない状況に陥ったときは、どのように対処するべきでしょうか。
ファクタリングを利用するには、売却する売掛金が不可欠です。
すぐに売掛金を差し押さえられないために、適切な対処法を知っておきましょう。
税務署や市区町村に相談する
所轄の税務署や市区町村など地方自治体の税務課は、税金の滞納に関する、もっとも身近な相談先となります。
税金を支払えない事情を説明すれば、場合によっては支払いの猶予や分納、免除が認められる可能性があります。
督促状が届く前に足を運ぶことで、税務署や市区町村からの心証が良くなるはずです。
その際は決算書や確定申告書を持参し、支払いが困難な状況にある事実を伝えて、あくまでも税金を納める意思があることをアピールしましょう。
猶予制度に申し込む
税金の種類によっては、税務署長の承認を受けて、本来の期限後に分割して納付できる“猶予制度”の対象となるケースがあります。
猶予制度への申請が認められた場合は、原則として1年以内の期間に限り、納税や差し押さえなどが猶予されます。
法人税や消費税などの国税の納付が猶予される条件は、次の通りです。
次の1から4までに掲げる要件のすべてに該当するときは、原則として1年以内の期間に限り、納税の猶予が認められる場合があります。
1 次の(1)から(6)までのいずれかに該当する事実があること。
(1) 財産について、災害を受けたり盗難にあったこと。
(2) 納税者や家族が病気にかかったり負傷したこと。
(3) 事業を廃業したり休業したこと。
(4) 事業について著しい損失を受けたこと。
(5) 上記の(1)から(4)に類する事実があったこと。
(6) 本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告などにより納付すべき税額が確定したこと。
2 猶予該当事実に基づき、納税者がその納付すべき国税を一時に納付することができないと認められること。
3 申請書が提出されていること(上記1(6)の場合は納期限までの提出)。
4 原則として、担保の提供があること。
引用元:国税庁「No.9206 国税を期限内に納付できないとき」
猶予制度の手続きを行わずに税金を滞納してしまうと、もとの請求額に延滞税や重加算税が上乗せされ、一層支払いが困難になります。
それにくわえて財産が差し押さえられれば、所有する売掛金も没収され、ファクタリングすら利用できなくなってしまいます。
税務署や地方自治体に相談し、可能であれば猶予制度の手続きをとりましょう。
ファクタリングで調達した資金で納税するのは得策?
税金を滞納した事業者のなかには、納税のための資金をファクタリングで調達しようとお考えの方もいらっしゃることでしょう。
しかしながら、ファクタリングを利用することでかえって損をするケースも考えられるため、必ずしも得策であるとはいえません。
納税のためにファクタリングの利用を考える際は、税金の延滞にかかるコストとファクタリングで差し引かれる手数料を比較し、より損失が少ないほうを選ぶのが重要です。
滞納したときに上乗せされる付帯税の金額は、税金の種類によって異なります。
たとえば源泉所得税を滞納した企業に対しては、通常の延滞税にくわえて、自己申告の場合に5%、税務署から指摘された場合に10%の“不納付加算税”が上乗せされます。
参照:源泉所得税の不納付加算税の取扱いについて(事務運営指針)|国税庁
税金の滞納にかかるコストの計算は複雑ですから、所轄の税務署に相談のうえ具体的な金額を算出してください。
税金を納めるためにファクタリングを利用するのは、慎重に検討しましょう。
税金を滞納することによるファクタリングへの影響
冒頭で申し上げた通り、基本的にファクタリングは税金を滞納していても利用できますが、まったく影響がないわけではありません。
税金の延滞にかかるコストと比較した結果、ファクタリングの利用が得策であると判断した場合にも、いざ申し込みへと踏み切る前に、心得ておきたい事柄がいくつかあります。
ここからは、税金を滞納することで起こるファクタリングへの3つの影響を解説します。
ファクタリング会社によって対応は異なるものの、覚えておいて損はないでしょう。
①審査の難易度が上がりやすい
ファクタリングは、金融機関からの融資やビジネスローンに比べて、はるかに審査に通りやすいといえます。
とはいえ、利用者が税金を滞納している場合は、審査に通過する難易度が多少なりとも高くなります。
2者間ファクタリングは、売掛金の支払期日に利用者が売掛先から代金を回収し、そのままファクタリング会社に送金するという流れです。
ファクタリング会社に売掛金を譲渡した時点で、売掛先から入金される代金は、利用者のものではありません。
しかし、この代金を使い込んでしまい、ファクタリング会社への弁済が滞る事態がまれに起こります。
税金を滞納しているということは、資金繰りに困窮しているわけですから、ファクタリング会社から「代金を使い込む可能性が高い」と判断されるわけです。
弁護士などを通じて損害賠償請求される事態に発展しかねませんが、そのようなリスクが嫌われ、税金を滞納している事業者は忌避される可能性があるのです。
②手数料が高くなる傾向がある
税金を滞納していると、審査に通ったとしても売掛金にかかる手数料が高く設定される可能性があります。
ファクタリングの手数料率の相場は、2者間ファクタリングの場合が8%~18%、3者間ファクタリングの場合が2%~9%です。
同じファクタリング会社を利用する場合でも、手数料率には幅があり、売却する売掛金の内容や、売掛先の信用度に応じて設定されます。
ファクタリングの審査では、利用者の信用度はそれほど重視されないものの、まったく関係ないわけではありません。
税金の滞納のように、ファクタリング会社にとって「売掛金が未回収となるリスクが高まる」と判断される要素が利用者に見られる場合は、審査や手数料に影響します。
関連記事:ファクタリングの審査基準とは?押さえたいポイントも紹介
③債権譲渡登記を求められやすい
審査の際に債権譲渡登記を求められやすくなることもまた、税金を滞納することの影響といえるでしょう。
債権譲渡登記とは、債権を譲渡した際にその旨を記録し、債権者が誰であるのかを公示する法制度のことです。
参照:債権譲渡登記:|東京法務局
債権譲渡登記がされていれば、ファクタリング会社は売掛金の持ち主を把握し、二重譲渡などによる損失を回避できます。
したがって、税金滞納者が利用を申し込んだ際には、ファクタリング会社がリスクを軽減するために債権譲渡登記が求められるというわけです。
なお、売掛金の二重譲渡に関しては、後ほど詳しく解説します。
関連記事:ファクタリングと債権譲渡の違いとは?債権譲渡登記も解説
税金の滞納時にファクタリング会社を選ぶポイント
税金の滞納時にファクタリング会社を選ぶ際は、以下の項目を重視しましょう。
税金滞納中でも利用可能である
税金を滞納中であっても利用できるファクタリング会社を選ぶことは、必須の条件になります。
先述の通り、基本的に税金の滞納のみを理由にファクタリングの利用を断られることはありません。
しかし例外的に、明確に税金の滞納者を利用対象外としているファクタリング会社もあります。
余計な手間をかけないためにも、事前に企業のホームページにその旨が掲載されているかどうかを確認しておくとスムーズです。
手数料が安い
できる限り、手数料が安いファクタリング会社を探すのもおすすめです。
ファクタリングによって手にできるのは、売掛金の全額ではなく、そこから手数料を差し引いた額です。
特に高額な売掛金を持ち込む際は、手数料率が数パーセント高いだけでも差し引かれる額が大きく増加します。
支払わなければならない税金を滞納しているということは、手元の資金が枯渇している状況のはずです。
これ以上資金繰りを悪化させないためにも、ファクタリングの手数料は安いに越したことはありません。
償還請求権がない
ファクタリング会社を選ぶ際は、償還請求権の有無も確認しておきましょう。
本来ファクタリング契約には償還請求権がありませんが、ファクタリングと名のつくサービスのなかには、融資に該当する契約を提供するものも存在します。
償還請求権がある融資契約を締結してしまうと、売掛先が倒産したときに、回収できなくなった売掛金を事業者が弁済しなければなりません。
そのようなケースに遭遇することは少ないものの、ファクタリングを利用する前に念のためチェックしておいてください。
関連記事:ファクタリングにおける償還請求権の意味とその影響を解説
税金を滞納していても利用できるファクタリング会社9選
ここからは、税金を滞納していても利用できるファクタリング会社を9社紹介します。
【税金を滞納していても利用できるファクタリング会社】
①ビートレーディング
手数料率
|
2者間:4%~12%
3者間:2%~9%
|
審査時間
|
最短30分
|
入金スピード
|
最短2時間
|
買取可能額
|
制限なし
|
契約形態
|
2者間・3者間
|
対象事業者
|
個人事業主・法人
|
運営会社
|
株式会社ビートレーディング
|
まずご紹介するのは、2024年3月時点で58,000社以上の取引実績を誇る、ビートレーディングです。
ファクタリングのパイオニアとして10年以上サービスを提供しており、取引実績を伸ばしつづけていることから、多くの事業者に支持されているとわかります。
申し込み時に提出するのは、直近2か月分の通帳のコピーと、請求書などの売掛金に関する資料の2点のみです。
必要な書類が少なく、オンラインでの契約に対応していることから、どなたでも手軽に利用可能です。
また、東京本社のほかに仙台・名古屋・大阪・福岡に支店があり、来社・訪問での契約にも迅速に対応してくれます。
ビートレーディングに
無料で相談する
【ビートレーディングの口コミ・評判はこちら】
②日本中小企業金融サポート機構
手数料率
|
1.5%~
|
審査時間
|
最短30分
|
入金スピード
|
最短3時間
|
買取可能額
|
制限なし
|
契約形態
|
2者間・3者間
|
対象事業者
|
個人事業主・法人
|
運営会社
|
一般社団法人日本中小企業金融サポート機構
|
日本中小企業金融サポート機構は、中小企業の資金調達のサポートを目的に設立された一般社団法人です。
中小企業を支援するためのサービスの一つとしてファクタリングを提供しており、手数料率は1.5%~と業界トップクラスの低率を誇っています。
なお、売掛金の買取可能額には、制限が設けられていません。
実際に、3万円~2億円と幅広い額の売掛金で取引実績があります。
また、同機構は中小企業等経営強化法に基づき、財務局および経済産業局が認定する“経営革新等支援機関”ですので安心して利用できるでしょう。
日本中小企業金融サポート機構に
無料で相談する
【日本中小企業金融サポート機構の口コミ・評判はこちら】
③みんなのファクタリング
手数料率
|
非公開
|
審査時間
|
最短30分
|
入金スピード
|
最短1時間
|
買取可能額
|
1万円~50万円
|
契約形態
|
2者間
|
対象事業者
|
個人事業主・法人
|
運営会社
|
株式会社チェンジ
|
オンラインで完結するファクタリングサービスを選びたい方には、みんなのファクタリングが適しています。
登録から入金までのすべての手続きをWeb上で進められ、対面はもちろん、電話でのやり取りも一切不要です。
審査には独自のAIを用いており、申し込みから最短1時間で入金が完了します。
営業時間である18時までに契約へと進めば、土日・祝日であっても当日中に入金されるため、早急に資金を調達したいシーンにぴったりです。
ただし、手数料率はホームページに公開されていないので、利用を検討している方は直接問い合わせてみましょう。
みんなのファクタリングの
公式サイトを見る
【みんなのファクタリングの口コミ・評判はこちら】
④ベストファクター
手数料率
|
2%~
|
審査時間
|
最短1日
|
入金スピード
|
最短1日
|
買取可能額
|
30万円~1億円
|
契約形態
|
2者間・3者間
|
対象事業者
|
個人事業主・法人
|
運営会社
|
株式会社アレシア
|
ベストファクターは、即日振込を強みとするファクタリングサービスです。
2024年5月時点での即日振込実行率は59.5%を達成しており、多くの事業者が申し込みの当日中に資金を調達できているとわかります。
また、運営元である株式会社アレシアでは、注文書ファクタリングサービス『BEST PAY』も提供しています。
BEST PAYの手数料率は5%からと、注文書が用いられる分、ベストファクターと比べて高料率です。
しかしながら、注文書や発注書を用いれば、仕事を始める前のより早い段階で資金を調達できるため、両者の特徴を比較してご自身に合ったサービスを選んでください。
ベストファクターの
公式サイトを見る
【ベストファクターの口コミ・評判はこちら】
⑤QuQuMo
手数料率
|
1%~
|
審査時間
|
最短30分
|
入金スピード
|
最短2時間
|
買取可能額
|
制限なし
|
契約形態
|
2者間
|
対象事業者
|
個人事業主・法人
|
運営会社
|
株式会社アクティブサポート
|
“Quality・Quick・Money”の頭文字から名づけられたQuQuMo(ククモ)は、高品質かつスピーディーな取引を強みとしています。
そのサービス名は嘘ではなく、公式サイトから必要書類をアップロードすると、まずは30分程度で審査が完了します。
続いて、売却後の見積もり金額を確認したのちに、内容に問題がなければ契約を締結し、すぐに入金が実行されるという迅速さです。
また、契約には電子契約サービス『クラウドサイン』を導入しており、その点もスピーディーな取引に一役買っています。
パソコンやスマートフォンがあれば、すぐに申し込むことが可能で、当然すべての手続きがオンラインで完結します。
QuQuMoの
公式サイトを見る
【QuQuMoの口コミ・評判はこちら】
⑥OLTA
手数料率
|
2%~9%
|
審査時間
|
最短1日
|
入金スピード
|
最短1日
|
買取可能額
|
制限なし
|
契約形態
|
2者間
|
対象事業者
|
個人事業主・法人
|
運営会社
|
OLTA株式会社
|
信頼性や安全性の高いファクタリング会社としては、OLTAが挙げられます。
2021年6月期には、日本マーケティングリサーチ機構が調査した“中小企業・個人事業主が選ぶオンライン型ファクタリング”でNo.1に選ばれています。
提携している金融機関の数が、ほかのファクタリング会社と比較して群を抜いているということも注目すべき点です。
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など、メガバンクをはじめ、地方銀行を含めた多くの金融機関がパートナー企業になっています。
また、日本経済新聞や日経ビジネス、きんざいOnlineといった、誰もが知る大手メディアで取り上げられた実績も、利用者にとって安心できる要素となるはずです。
OLTAの
公式サイトを見る
【OLTA(オルタ)の口コミ・評判はこちら】
⑦ペイトナーファクタリング
手数料率
|
10%
|
審査時間
|
最短10分
|
入金スピード
|
最短10分
|
買取可能額
|
~100万円
|
契約形態
|
2者間
|
対象事業者
|
個人事業主・法人
|
運営会社
|
ペイトナー株式会社
|
ペイトナーファクタリングは、どこよりも素早く簡単に資金を調達できます。
ファクタリングの申し込みにありがちな煩雑なプロセスが排除されているため、とにかくスピーディーに手続きが進められます。
審査完了と同時に入金が行われる独自のシステムを採用しており、申し込みから売却金額が入金されるまでのスピードは、最短10分です。
申し込みは、公式サイトから会員登録して請求書の画像データまたはPDFをアップロードするのみです。
ただし、迅速に資金を調達できる一方で、手数料率は一律10%と決して低くありません。
あくまでも入金スピードを重視するのであれば、利用を検討する価値があるでしょう。
ペイトナーファクタリングの
公式サイトを見る
【ペイトナーファクタリングの口コミ・評判はこちら】
⑧labol
手数料率
|
10%
|
審査時間
|
最短1時間
|
入金スピード
|
最短1時間
|
買取可能額
|
1万円~
|
契約形態
|
2者間
|
対象事業者
|
個人事業主・法人
|
運営会社
|
株式会社ラボル
|
labolは、フリーランス・個人事業主の利用に特化したファクタリングサービスです。
幅広い業種や職種を対象としており、新規事業を開始したばかりの事業者であっても問題なく売掛金を売却できます。
手数料は一律10%と低くないものの、個人事業主であることを理由にほかのファクタリングサービスの利用を断られたという方は、申し込んでみる価値があるでしょう。
ちなみにlabolの運営元は、2021年に設立されたばかりの会社です。
しかし、その親会社である株式会社セレスは、国内最大級のポイントサイトを運営している東証プライム上場企業です。
オンラインサービスの運営に長けた会社の100%子会社であるため、サービス面においては大手と比べても遜色ないといえます。
ラボルの
公式サイトを見る
【labol(ラボル)の口コミ・評判はこちら】
⑨ファストファクタリング
手数料率
|
2%~5%
|
審査時間
|
最短2時間
|
入金スピード
|
最短2時間
|
買取可能額
|
~1億円
|
契約形態
|
2者間・3者間
|
対象事業者
|
個人事業主・法人
|
運営会社
|
株式会社ミラージュ
|
自社が利用対象となるか不安な方におすすめしたいのが、ファストファクタリングです。
法人か個人事業主か、また事業形態や事業規模を問わず、多くの事業者からの申し込みに対応しています。
ファストファクタリングのホームページには、税金滞納中でも利用できる旨が記載されています。
そのため、税金の滞納を理由に金融機関の融資やほかのファクタリング会社の利用を断られた方でも資金の調達が期待できるでしょう。
また、ホームページでは、事業形態や調達希望額などを入力するだけで、最短60秒で見積もり金額がわかるクイック査定を受けられます。
売掛金の売却金額がいくらになるのか気になる方は、申し込み前にぜひお試しください。
ファストファクタリングの
公式サイトを見る
ファクタリングを利用する際の注意点
ファクタリングを利用するにあたって、必ず覚えておくべき2つの注意点を解説します。
二重譲渡は絶対に行わない
売掛金の二重譲渡は、絶対に行ってはいけません。
ファクタリングにおける二重譲渡とは、複数のファクタリング会社に対して、重複して売掛金を譲渡する契約を結ぶ行為のことです。
売掛金の譲渡は、現金のように物品をやり取りするわけではないので、一つの売掛金で複数のファクタリング会社と契約を結ぼうと思えば結べます。
しかし、意図したかどうかにかかわらず、売掛金の二重譲渡は法律に抵触する行為です。
発覚した場合は、横領罪や詐欺罪に問われる可能性があるため、注意してください。
関連記事:ファクタリングで売掛金の二重譲渡が罪になる理由とは?
書類がそろわない場合は、正直に事情を話す
ファクタリングの申し込みに必要な書類がそろわない場合は、ファクタリング会社に事情を話してみましょう。
利用者の状況によっては柔軟に対応してもらえるケースがあるため、書類を用意できないからといって、すぐに諦める必要はありません。
【主な必要書類】
- 身分証明書
- 通帳のコピー
- 売掛金を証明する資料
- 決算書・確定申告書
- 登記簿謄本
- 印鑑証明書
- 納税証明書
たとえば起業したばかりの事業者であれば、まだ決算期を一度も迎えておらず、決算書や確定申告書を用意することができません。
そのようなときは、残高試算表などの代わりの書類を提出することで、申し込みが認められる場合があります。
必要書類が用意できない際は、とにかくファクタリング会社に相談してみることです。
関連記事:ファクタリングに必要な書類を紹介
危険な悪徳業者を見分けるコツ
ファクタリングは、売掛金を早期に現金化できる便利なサービスです。
しかし、なかには法的にグレーなサービスを提供する悪徳業者が紛れています。
そのようなサービスを利用すると、不利な契約を結ばされるなど、かえって不利益を被るかもしれません。
悪徳業者が提供するサービスは、ファクタリングをうたっていたとしても、契約内容が融資に該当する可能性があります。
貸金業登録を受けずにそのようなサービスを提供している業者は、貸金業法に違反しており、罰則の対象です。
発覚した場合は、10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金またはその両方が科せられます。
第四十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 不正の手段によつて第三条第一項の登録を受けた者
二 第十一条第一項の規定に違反した者
三 第十二条の規定に違反した者
引用元:貸金業法 | e-Gov法令検索
無用なトラブルを避けるためにも、次のような特徴が一つでも見られる業者は利用を控えるのが賢明です。
【悪徳業者の特徴】
- 審査が行われない
- 償還請求権がある
- ホームページがない
- 手数料率が相場と乖離している
ファクタリングを利用する際は複数のサービスを比較検討し、悪徳業者を選ばないようにしましょう。
関連記事:ファクタリングが違法ではない根拠と悪徳業者の特徴を解説
ファクタリングは税金を滞納していても利用できる
本記事では、ファクタリングと税金の滞納の関係について解説しました。
たとえ税金を滞納していたとしても、そのことのみを理由にファクタリングの利用を断られることはほとんどありません。
ただし、税金を滞納しつづけると、ファクタリングに必要な売掛金を差し押さえられる可能性があるため、注意が必要です。
納税を促す督促は無視せずに、税務署や市区町村に相談し猶予制度に申し込むなど、適切な対応をとりましょう。
資金調達ニュース.comでは、ファクタリングに関するさまざまな情報を発信しています。
ファクタリングについて知識を深めたい方は、ぜひほかの記事も参考にしてください。
大阪市内の税理士法人に所属。中小企業から100億円超の企業まで様々な規模の法人顧問を担当。法人税務のみならず、M&Aや国際税務、相続案件も数多く手がけている。
また相続コラムを始めとする記事執筆や監修、納税協会や各種業界団体主催のセミナー講師としても幅広く活動中。
【資格】
【日本税理士会連合会】登録番号:132133